好適環境水を不使用!?淡水魚と海水魚を同じ水槽で飼育する方法

専門編

好適環境水を使用せずに淡水魚と海水魚を飼育する方法について解説して行きます。

一般的には淡水魚と海水魚は別の環境が必要とされていますが、実は特別な「生理食塩水」を作り出すことで、同じ水槽で淡水魚と海水魚を一緒に飼育することが可能です。

先生
先生

この方法は水族館などでの展示で取り入れられることもあり、観賞用としても新しいアプローチとなるでしょう。

本記事では、生理食塩水の原理、理想的な飼育設備、そして混泳が可能な魚種について詳しくご紹介します。

飼育の原理:生理食塩水とは

 水族館で淡水魚と海水魚を同じ水槽に展示する際は、
実は特別な装置を使っているわけではなく、魚たちを時間をかけて慣れさせているわけでもありません。

水槽に生理食塩水と呼ばれる特殊な塩分濃度の水を作り出し、その中で飼育するだけです。

この生理食塩水は、魚の体液と同じ濃度の塩分を含む水を指し濃度を約0.05%に調整することで淡水魚と海水魚の体内の塩分バランスが保たれ、体内への水の出入りがなくなるため、魚たちが自然体で泳ぐことができるのです。

先生
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つまり、生理食塩水は海水ほど濃くはないため、
淡水魚にも負担をかけず海水魚にも必要な塩分を提供できるのです。

理想的な飼育環境の設備と注意点

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適切な飼育環境を整えるためには、水槽と濾過装置の選択が重要です。
ここでは最適な水槽のサイズと濾過方式について詳しく解説します。

水槽は60cmレギュラー以上が理想。

水槽のサイズが大きければ大きいほど、水質変化が少なく環境が安定しやすくなります。
安定した環境は魚にとってストレスが少ないため、飼育管理もしやすくなります。

先生
先生

60cm以上のレギュラーサイズが望ましいですが、
設置場所の広さなどを考慮しながら最適なサイズを選びましょう。

高性能な濾過方式

魚が快適に過ごすためには、水質を保つ濾過装置が欠かせません。
濾過能力が高いものを選ぶと水質の安定が保ちやすくなり、塩分濃度の維持にも役立ちます。

ただし、濾過装置による排水時に水が飛び散ることがあるため、塩分が水槽のガラス面に飛び散りやすい点には注意が必要です。

飼育に必須アイテム

淡水魚と海水魚を一緒に飼育する際には、適切な塩分濃度の維持が重要です。
そのために必要なアイテムについて説明します。

塩分濃度確認する道具

淡水魚と海水魚が一緒にいる環境を用いるためには塩分濃度の管理が必須です。
塩分濃度を適切に保つため、塩分濃度を測定できる道具を用意しましょう。濃度が約0.05%であることが理想で、定期的に測定して維持することが大切です。

人工海水の素

水槽の水に塩分を加える際、人工海水の素が便利です。
観賞魚用の人工海水の素は水を薄めて使用することができ、簡単に塩分濃度を調整できます。

先生
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これにより必要な塩分濃度を安定して維持できるため、コストパフォーマンスにも優れています。

淡水魚と一緒に飼育できる海水魚の選び方

淡水魚と海水魚を一緒に飼育するには、混泳できる魚種の選定が重要です。
以下の点を考慮して、飼育しやすい魚種を選びましょう。

大きすぎない魚

大きな魚を飼育するにはより広いスペースが必要となり、水槽の管理も難しくなるため、最大でも30cm程度の魚が理想です。
飼育環境を維持するコストを抑えることにもつながります。

飼育難易度が高くない魚

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生理食塩水環境で淡水魚と一緒に飼育できる魚は、通常の飼育環境であまり手間のかからない魚が適しています。
深海魚や低温を好む魚は特別な管理が必要となるため、一般的な熱帯魚や温帯魚が最適です。

捕食関係にならない魚

淡水魚と海水魚の混泳環境では、食性の違いにも注意が必要です。
魚食性の強い魚は、淡水魚を捕食するリスクがあります。

女の子
女の子

雑食性で共生が可能な種を選ぶと安心ですね。

入手しやすい魚

水槽で飼育する魚は、入手のしやすさも大切な要素です。
たとえば、ペットショップで購入できる淡水魚や、海辺の磯や河口で捕まえられる魚などがおすすめです。

男の子
男の子

身近で手に入りやすい種類から選ぶと飼育を始めやすいですね。

混泳が可能でおすすめの魚種

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以下に、淡水魚と海水魚を生理食塩水環境で混泳できる代表的な魚をいくつか挙げます。

ボラ(オニボラ)
スズメダイ
メジナ
チョウチョウウオ
クマノミ
ハゼ?

これらの魚は、淡水魚のフナなどと比較的混泳しやすく、実際に飼育例も多く見られます。
ただし、どんな組み合わせでも完全に混泳が保証されるわけではないため、飼育状況に応じて個別に管理しましょう。

先生
先生

混泳環境には絶対は存在しません。
あくまで「飼える」というだけです。

まとめ

淡水魚と海水魚の混泳は、生理食塩水を活用することで意外と簡単に実現できます。
適切な水槽や濾過装置を選び、塩分濃度をしっかり管理すれば、異なる生態系の魚を一つの水槽で楽しむことが可能です。

先生
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生理食塩水を使用して、ぜひユニークな飼育体験に挑戦してみてください!

参考文献

マリンワールド海の中道 よくある質問

よくある質問
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専門編生理学

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