芦ノ湖と移入魚類の歴史|フナのいる山上湖

環境学

今回は芦ノ湖の移入の歴史について解説していきます。

芦ノ湖に生息しているフナはもともと住んでおらず、放流によって移入してきた魚になります。
その他の魚たちも放流によって増えてきました。

これを読めばどうして放流を行なっているのか、理由がわかります。

芦ノ湖とは

芦ノ湖は、神奈川県足柄下郡箱根町にある、箱根山のカルデラ湖です。
神奈川県南西部にある県内最大の湖で、早川水系に属する二級河川でもあります。

箱根火山のカルデラ内にある中央火口丘の一つで、成層火山である神山が、約3000年前に水蒸気爆発と火砕流を起こした際、山の一部が大崩壊を起こす山体崩壊が発生しました。
結果、カルデラ内にあった早川を堰き止めて芦ノ湖が生まれました。

水源の大部分が湖底からの湧き水です。
本来は北部(箱根町仙石原)から流れ出る早川の水源でしたが、水利権が神奈川県側に無い為に、増水時などの非常時を除いて芦ノ湖から早川への放水は行われていません。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

芦ノ湖は釣り場としても有名であり、ニジマスなどのマス類やブラックバスなど、古くから外国産の魚類が放流されてきた歴史があります。

なおブラックバスは赤星鉄馬によって1925年に日本で初めて放流されたことで知られ、バスフィッシングのメッカにも挙げられています。

男の子
男の子

芦ノ湖は特例でブラックバスの
キャッチアンドリリースが許されている場所ですね。

先生
先生

生きたままの持ち出しなどは相変わらず禁止ですけどね。

移入魚類の歴史

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

芦ノ湖はもともとは火山の噴火によって生まれた「カルデラ湖」であり、
誕生当時は魚などは生息しておらず、固有の生態系を持たない湖でした。

1819年に、ニジマスとサケの増殖事業が開始され、1889年にはイワナの増殖事業を行いますが、成果が上がらずに増殖事業は中止されました。

以降、芦ノ湖の内水面の活用を正しくしていく中で、多くの魚類が芦ノ湖に移入された結果、現在の芦ノ湖の生態系を形成していくようになります。

1810年 ニジマスの放流が開始される。
1818年 ワカサギの放流が開始される。
1815年 日本で初めてブラックバスの放流が行われる。
1838年 コイ、フナ、アユの試験法流が開始される。
1972年 ブラウントラウト(稚魚)の放流が行われる。
1978年 ヒメマスの孵化放流が開始される。
1981年 マスの資源量回復のために、稚魚の放流が行われる

このような取り組みを経て、1983年には遊漁者が100,000人を超える全国的な知名度を誇る湖となりました。

現在、芦ノ湖に生息している魚

  • ニジマス
  • ブラウントラウト
  • ヒメマス
  • ヤマメ(サクラマス、サツキマス)
  • オオクチバス
  • ワカサギ
  • ウグイ
  • オイカワ
  • コイ
  • フナ
  • ヘラブナ
  • ヒガイ
  • ヨシノボリ
  • ウキゴリ
  • ナマズ
  • ウナギ
  • ドジョウ
  • ヌマチチブ
  • ブルーギル
  • コーホサーモン

現在は20種類を超えるほどの淡水魚が生息しているんですね。

まとめ

今回は芦ノ湖の歴史について解説していきました。

フナがいる湖にはですが、ゲームフィッシング用のトラウトやブラックバスがメインの湖になりますので、見かけたらラッキーと思える程度に思っておきましょう。

一応、芦ノ湖に生息している魚を観察できる「箱根園水族館」も存在していますが、最近は淡水館が撤去されてしまい、芦ノ湖に生息する魚は見られなくなってしまいました。

一応、フナの展示はしていますので、興味のある方は見に行ってみるのもいいかもしれませんね。

コメント