アルビノブナの謎を解明!「アルビノ」の定義と仕組みとは|アルビノ個体

生理学

今回は東京海洋大学大学院博士である西川洋史がかかれた「アルビノの定義と仕組み」からアルビノフナについて解説していきます。

稀に観賞魚店で販売されている「アルビノブナ」ですが、一般的に世の中には体色の白いフナというのも存在しています。

一体アルビノと純粋に白い個体とではどのような違いがあるんでしょうか。

色素胞の復習

先生
先生

アルビノを語る前に
魚の体にある「色素胞」についておさらいしましょう。

魚の体色は皮膚にある「色素胞」と言う細胞で発現します。
色素胞には黒色素胞、赤色素胞、黄色素胞、白色素胞、虹色素胞の5種類が存在しています。

魚の体の内部には各細胞の色を決める細胞性器官や構造物があります。

先生
先生

例えば、黒色素方にはメラノソームと言う細胞小器官があり、
メラニンと言う黒い色素を含みます。

記載されている色素法以外の青色や緑色はと不思議になるかもしれませんが、
それらの色は虹色素胞にある反射小板がその色の光を反射することで発言しています

真のアルビノ

さて、黒色素胞の形成やメラニンの合成ができなくなって、
体が白くなる現象をアルビニズム(白化現象)といいます。

そのような白化個体をアルビノ(白子)と呼びますが、
特に全身が白く網膜の血液が透けて目(瞳の部分が)赤く見える個体が「真のアルビノ」になります。

先生
先生

ただ、魚の場合では完全に白化したものは少なく、瞳は黒いことが多いようです。

アルビノ飼育の難易度はそこまで変わらない

一般的にアルビノ個体は体が白いこと以外は通常の個体とそこまで変わりありません。
むしろその美しさからペットや観賞魚では人気が高いですね。

ただし、紫外線カットの役割をしているメラニンを失っているため、紫外線に対する影響は大きいとされています。

アルビノの魚は太陽光線や強い光で失明しやすいアルビノはは、皮膚がんになりやすいと考えられています。

男の子
男の子

なるべく日の当たらない環境で飼育してあげた方がいいのですね。

アルビノ個体の原因

アルビノは黒色素形成やメラニン合成に関与する遺伝子の突然変異や機能不全によるもので、多くは遺伝的に決まり、これを「単純劣性遺伝」といいます。

フナの場合は、アルビノになる要因としてはメラニン合成酵素の1つである「チロシナーゼ遺伝子」に異変が起きていることが知られています。

色メダカとしての品種が多いメダカなどは特にメラニンの合成に関連する遺伝子は多いので、アルビノのが出てくる事は確率として高いのかもしれません。

しかし、自然界では白い体色は目立つため、すぐに魚や獣などの天敵に捕食されてしまいます。
そのため、野生環境で見られることが少ないのはこれが理由ですね。

大渇水後にアルビノの魚が多く取れたのは、もしかしたら環境が悪化したせいで、天敵となる生物が少なくなり、アルビノの生き残り個体が増えたためかもしれません。

まとめ

ということで今回は「アルビノの定義と仕組み」について解説していきました。

飼育を行う上での難易度は普通の個体とは大差ありませんが、あまり紫外線の当たらない環境で飼育してあげるといいですね。

参考文献

西川洋史 東京海洋大学大学院博士
アルビノの定義と仕組み アクアライフ

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