こんにちは、あおいふなです!
今回は東京都目黒区にある「目黒寄生虫館」に行ってきました。
ここは世界的にも珍しい、寄生虫を専門に扱う研究博物館です。
なんと、規模のわりに入館料が無料!学びと発見を楽しめる素晴らしい場所でした。寄生虫に対して正しい知識を持ち、恐れるべきところを恐れるという気持ちで足を運びました。
展示は小規模ながらも充実していて、寄生虫の標本から宿主となる生物の模型まで幅広く見ることができます。
それでは、今回見学した中で特に印象に残った寄生虫たちについて詳しくお話ししていきます。
肝吸虫




最初に紹介するのは「肝吸虫」です。
この寄生虫はフナが第二中間宿主となり、野生のフナやコイを生で食べることで哺乳類の体内、特に肝臓に寄生します。
肝吸虫に寄生されると、腹水貯留や黄疸、さらには肝硬変を引き起こすこともあります。
ただし、近年では第一中間宿主であるマメタニシの減少により、人が感染する例はかなり少なくなっています。
このため、フナを生で食べるリスクも以前よりは減少していると言えますね。



目黒寄生虫館では、肝吸虫やその宿主であるマメタニシの標本を間近で見ることができます。
さらに、肝吸虫を発見した研究者小林晴治郎に関する資料や、寄生虫の卵、精巧な蝋模型なども展示されています。これらの展示物から寄生虫の複雑な生態に触れることができました。
横川吸虫



次にご紹介するのは「横川吸虫」です。
こちらもフナが寄生される寄生虫の一種で、淡水魚に多く見られます。この博物館では、寄生虫の標本としてフナが使用されている展示もあり、フナの寄生虫研究において非常に興味深い内容が詰まっています。
横川吸虫が寄生したフナは、体表に黒い斑点が現れることが特徴で、この状態は「黒点病」と呼ばれています。
感染した個体は「ゴマフナ」という地方名で呼ばれることもあります。

私自身も釣りをしていた際に、体に黒い斑点があるフナを見たことがありますが、もしかするとこれも横川吸虫に寄生された個体だったのかもしれません。
イクチオフチリウス

次に注目したのは「イクチオフチリウス」という寄生虫です。
この寄生虫は淡水魚に寄生し、体表に白い斑点を生じさせます。
この病気は「白点病」と呼ばれています。観賞魚を飼育している方には非常に馴染み深いものではないでしょうか。
私も金魚を飼育しているときに白点病を見かけたことが何度もあります。
自分が知っている病気の原因となる寄生虫を実際に目にすると、どこか親近感が湧いてしまうのが不思議ですね。
ホフェレルス

「ホフェレルス」という寄生虫も展示されていました。こちらは胞子虫類に分類される寄生虫で、感染すると宿主である魚の腎臓が肥大する症状を引き起こします。
展示されていたのは金魚に寄生した例で、少々グロテスクではありましたが、その詳細な形態には目を奪われました。
フタゴムシ


最後に紹介するのは「フタゴムシ」です。この寄生虫は、まるで蝶のような姿をしており、二匹の虫が一体化した特異な形態が特徴です。
目黒寄生虫館の創設者が生涯研究していた寄生虫であり、なんと博物館のロゴマークにも採用されています。
フタゴムシの標本は非常に小さく、虫眼鏡を使ってようやくその姿を確認できるほど。
フナも宿主となる可能性があるそうで、その点も興味深いですね。
淡水魚の寄生虫標本




この他にも、様々な淡水魚に寄生する寄生虫の標本が展示されています。
筋肉に寄生するわけではないため、生食しても感染するリスクは低いですが、それでも観察することで寄生虫の生態を学べます。
ほかにも

目黒寄生虫館には、今回紹介した寄生虫のほかにも、アニサキスやサナダムシ、ハリガネムシといった、聞いたことはあるけれど実物を見るのは初めてという寄生虫が多く展示されています。
「怖いもの見たさ」で足を運ぶのも楽しいですよ!
博物館情報

開館時間 午前10時~午後5時 休館日 毎週月曜日・火曜日/年末年始 (月曜日・火曜日が祝日の場合は開館し、直近の平日に休館) 入館料 無料(ご寄付にご協力ください) 住所 153-0064 東京都目黒区下目黒4‐1‐1 TEL 03-3716-1264(音声案内) FAX 03-3716-2322
寄生虫の世界に興味がある方はぜひ足を運んでみてください!
この不思議で奥深い世界に一歩足を踏み入れると、新しい視点で自然を観察できるようになります。
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