魞漁での取上げ作業(魞掻き)を体験してきたお話|

漁業学

どうも、あおいふなです
今回は、琵琶湖で魞漁を体験してきたとき作業の流れについてお話していきます。

漁体験してきたときの流れにつきましては別の記事で書いていますので、
そちらもよかったら見てみてくださいね。

魞漁とは

魞漁とは湖の岸辺に設置する定置網の一種です。
魚が遊泳しているうちに行手を阻まれるため、回避しながら泳いでいくにつれてどんどん狭い場所へと誘導されていき、最終的にツボという場所に落ち込む形になります。

ツボに入った魚毎日回収する(魞搔き)を行います。

今回はこの魞掻きを体験してきました。

初めて魞を見る

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漁体験を行うにあたり、実際にボートで琵琶湖を移動していくのですが、私は初めて「魞」というものを見ました。

以前から書籍や博物館なので、挿絵やレプリカを見てはいたのですが、実際の仕掛けを見るのは初めてでしたね。

イメージとしては湖の岸辺に付近にたくさんの杭が刺さっている・・・という感じでしょうか。
本来は「ワタリ」や「ホウライ」と呼ばれる部分があるのだと思うのですが、
魞自体が膨大な大きさなので、どこの部位なのかさっぱりでしたね。

以前は杭は竹製だったそうですが、現在はプラスチック製となっていますね。

魞掻きの手順。

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魞掻きの手順は大きく分けると5つになります。

  • ツボを固定しているロープを解く
  • 網のオモリを持ち上げる
  • 網を端っこから手繰り寄せていく
  • 網にかかった魚を取り上げる
  • 仕掛けを元に戻す

一つずつ見ていきましょう。

ツボを固定しているロープを解く

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まずは固定されている魞の仕掛けを解き、網をたぎり寄せるためにツボの網を固定しているロープを解きやオモリを持ち上げていきます。

今まで乗ってきた電動のボートから手漕ぎボートに乗り換え、ロープやオモリを解きながらツボの周りを周っていきます。

オモリは水の抵抗もあり、それなりに引き上げるのに力を要します。
体感としては15〜20kgでしょうかね。

水面までもちあげたオモリは近くの杭にくくりつけておきます。
オモリの近くに輪っかがある時にはそのままひっかけておき、ない場合はオモリを繋いでいるロープを「巻き結び」で結んでいきます。

以前はボーイスカウトをやっていたので、ロープ結びはいくらかできていたのですが、不意にやろうとすると結び方を忘れてしまうものですね。

結局、駒井さんに結び方を再度教わりながらオモリを杭へとくくりつけていきました。

網を端っこから手繰り寄せる

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その後はツボの網を端から手繰り寄せてツボ部分に入った魚を1箇所に集めていきます。

こうすることで、ツボに入った魚を集め、取り上げやすくなりますね。

この網なんですが、とにかく重いです。そして、かなり泥が跳ねます。
貸し出されていたカッパがなければ泥だらけで悲惨な状況になっていたでしょうね。

網を上げる途中で、表面についた植物プランクトンや泥を振り落としながら手繰り上げていきます。
網を上げていくとそこの部分が見えてきますので、そこからは少しずつ船を移動してまた少しずつ網を引き上げる作業が続いていきます。

魚とご対面

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ツボの半分の網が手繰り終わることには手漕ぎのボートが網を引っ張っていく力によって自然に移動していくようになります。

今の所見かけているのは小魚の死骸と水草、そして網についている卵と大きな鱗。

ツボのもう半分を引き上げていきますが、いまだに魚は見えません。

鱗を見ているとどこかフナに似ていますが、その時は特に意識していませんでしたね。

やがてツボの3/4程度の網を引き上げるとツボにいた魚が少しずつ見えていきました。

その中で一際大きく、力強く泳ぐ魚の影がありました。
普通の川魚とは違う体の幅は広く、深い褐色の体色をした魚。

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私

フナだぁぁぁぁ!!

魞にフナがかかっていました。体長は30cm、いや40cmは超えるほどの巨大なフナです。

私は大興奮でした。

今まで網を取り上げていても魚の姿もありませんから、坊主で終わるとも思っていましたし、
まさか、魞漁体験で運良くフナがかかるなんて思ってもいませんでしたからね。

その後、もうすこし、網を手繰り寄せてほとんど網が上がった時点で、魞に入っていた魚の姿を見ることができました。

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氷魚とイサザ、その他の小魚、そしてフナです。

魚の取り上げ

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ここまで来ればあとは魚を取り上げ作業をします。
取り上げ作業は私に任してくれるそうです。ありがとう、駒井さん。

私は魞のすぐ近くに留めてあった動力源のあるボートに移り、そこにあるたも網で魞に入った魚を掬い上げていきます。

魞の杭には待っていましたと言わんばかりの水鳥が集まって、上がった魚を狙っていますので、
取りに横取りされないように気をつけながら取り上げていきます。

最初は小魚をメインで取り上げてから最後に大きなフナを取り上げます。

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フナはとても大きく、網いっぱいの大きさでしたね。

網を戻す

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魚の取り上げが終わったら、魞漁は終了。
あとはツボを元に戻してまた魚が集まるのを待つだけですね。

網を下に下ろして、オモリを沈めてロープで固定して終了です。
この作業は駒井さんがやってくださいました。

魞漁終了

ということで、魞漁が終了しました。
季節によって取れる魚が違うようなので、また時期を見て魞漁を楽したいですね。

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