水草とはどんな植物なのか|フナと水草学

水草学

水草とは

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水と関わりが強い植物のことです。

湖や川、水田などの水中や水辺に好んで生えます。全ての植物にとって水は必要不可欠なのですが、水草は特に多くの水を必要とし、陸上の草木とは区別されます。

水草というのは、なんとなく海藻などの藻類が川や池に進出してきたようなイメージがあるかもしれません。

先生
先生

しかし、実際は陸上に生活していた「高等植物」が水中での生活に適応した植物になります。

水草の特徴

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女の子
女の子

せんせー、水草と陸上の植物は何が違うんですか?

水草は、基本的な構造は陸上の植物と何らか変わりませんが、
水中生活に適応するために幾つかの特徴を備えています。

3種類の葉を作れる

水草の特徴として大きいものといえば、3種類の葉っぱを作ることができます。

というのも、水草たちは別に水中に存在しているものだけではありません。水面に葉が浮いていることもありますし、水から上がり空気中でも葉を増やすことができます。

先生
先生

そんな水中、水面、空気中とそれぞれ異なった葉をつくることを「異葉性」と呼びます。

水位の増減などの条件によって同じ水草とは思えないような葉をつくり出します。

それぞれの葉っぱの特徴(異葉性)
  • 沈水葉(水中葉)
    水中にいる時の葉の状態。
    透明感があり、やわらかい。
  • 浮葉
    水面に浮いている葉の状態。
    肉厚は薄くて、表面に光沢がある。
  • 気中葉(水上葉)
    空気中にいる時の葉の状態。
    肉厚は厚く、硬い
先生
先生

これは海中に生えている海藻などの藻類にはできない芸当ですね。

水中に植物が生える利点・欠点

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そんな植物が水辺で生活することのメリットとしては「水不足が無縁」ということでしょうか。
水域の一帯が干上がってしまうような場合を除けば乾燥することの多い陸上よりも有利な環境なのです。

また、水中は浮力がありますから、体を支える強力な細胞壁を作る必要もないですね。
そのため、水草の体は軟弱のものが多いのはこのためですね。
さらに陸上と比べて温度変化が少ないのも利点です。

一方で、水中には空気中と比べて酸素と二酸化炭素の供給に恵まれないデメリットがあります。

それだけでなく、水中では光をよく吸収してしまうので、水中は陸上と比べてはるかに光合成が稼げないのです。

そのことからも多くの水中植物はできるだけ水面にを出すように適応しています。
水面に出た葉っぱが水を弾く仕組みがあるのは水が被らないようにするためなんですね。

水草の殖え方

水草は種子で増える方法(有性生殖)の他に、体の一部(切れ藻)が再生して増えたり、地下茎や走出枝を伸ばして殖えたりする方法(栄養生殖)があります。

また、体に特別な部分(殖芽)を作り、冬を越す水草もあります。

まとめ

ということで、今回は水草について解説していきました。
水中という特殊な環境で生息している高等植物なんですね。

次からは詳しい分類について解説していきます。

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