今回は水草の活着方法と活着に向いている水草の傾向について解説していきます。
フナを飼育している水草水槽では、頻繁に水草が掘り起こされてしまいます。
しかし、この方法をとれば水草が掘り起こされるリスクが減ることができます。
この方法ならば大型の魚を飼育している水槽でも水草を楽しむことができますよ。
活着とは
そもそも活着とはなんですか?
活着とは、水草を底砂に植えるのではなく、
「岩や流木」などののアクセサリーにつけて行う方法です。
石や流木に根付き、底床に植えなくても育つ水草を『活着水草』と呼びます。
土台となる石や流木は水草との親和性が高く、演出効果も申し分ありません。活着性を持つ水草は育成しやすい種類が多いこともあり、初心者から上級者までおすすめできるレイアウト用品といえます。
一方で、台座となる石や流木の隙間にゴミや汚れが溜まることがあるため、長持ちさせるには定期的なメンテナンスが必要です。
また、アクアショップの中にはすでに水草が活着された状態の流木や岩などが販売されていることがありますので、それをおくだけでも自然なレイアウトを楽しむことができますね。
活着によるメリット
水草が掘り起こされない
最大のメリットは「水草が掘り起こされることを防ぐ」ということでしょう。
これは底砂に飢えている状態と比較して流木などにしっかりと根がついているため、
コイ科魚類特有の砂をいじる動作や尾鰭による強い水流でも水草が飛ばされづらくなります。
ただ、絶対ではありませんから過信はできませんけどね。
レイアウトが手軽
次にレイアウトが手軽に変更できるということでしょう。
本来ならば、水草水槽のレイアウトを変更するときには、一度飢えられている水草を掘り起こして植え直す必要があります。
しかし、流木などに活着している水草の場合はその流木ごと移動してしまえば終了です。
植物を触ることも少ないので、葉っぱや根っこへのダメージも少ないのも嬉しいですね。
生体飼育の環境で適応できる水草が多い。
これは、流木や岩に活着する水草側の特徴になるのですが、
基本的には陰性の植物なので、強い照明や二酸化炭素の添加を必要としません。
また、葉っぱが大きくて硬いものが多いため、フナなどのコイ科魚類に摂食されづらい点も優秀ですね。
活着に向いている水草
ここからは活着に向いている水草について紹介していきます。
アヌビアス系統
まずはアヌビアス系統です。特に「アヌビアス・ナナ」は活着水槽の中でも定番ですね。
非常に丈夫でさまざまな水槽に導入できます。
成長が遅く、苔が生えやすい性質を持っていますので、コケ取りができる生体を入れておくと良いでしょう。
ナナの他にも大型種の「アヌビアス・バルテリー」がいますが、こちらの方は大きな葉を持ち、迫力があります。
かなり存在感がありますし、可能ならば60〜90cmクラスの水槽で、中型魚くらいと合わせておくといいでしょう。
大型魚の水槽では底砂もしかないベアタンクも多いですが、流木に活着しているバルテリーならば自然な雰囲気を楽しむことができそうですね。
他にも同じくサトイモ科の「スキスマトグロッティス」おすすめです。
この他にも明るい色味のゴールデンや小型のナナプチなどさまざまな品種がありますので、
各々の水槽レイアウトに合わせて選んでみましょう。
フナ水槽なら濃い緑色の葉の方が
おちついた雰囲気が出て良さそうですね。
ミクロソリウム
次に紹介するのはミクロソリウムです。こちらもアクアリウムでは定番のシダ科の水草になります。
ミクロソリウムの仲間は陰生植物であり、強い照明もCO2添加も行わなくて良い利点があり、
フナを飼育している生体水槽に向いています。
ただ、高水温や水質の変化には強くありませんから注意は必要ですね。
フナ飼育に合わせるならば葉の形が細いテープ状の「ナローリーフ」がおすすめです。
淡水魚らしい自然な水槽には向きそうですね
ボルビティス ヒュディロティ
ミクロソリウムと同じく水生シダ科の植物ではボルビティス ヒュディロティもおすすめです。
ボルビティスの特徴を言えば、葉でしょうか。
ミクロソリウムと比べて透明感と柔らかさがあり、「金魚藻」のような見た目でフナをはじめとする淡水水槽との相性は良さげです。
成長自体は遅いので、活着までには時間がかかりはしますが、活着した流木を水槽内に配置すれば落ち着いたレイアウトになりますね。
ウィローモス
最後に紹介するのはウィローモスです。これは苔の仲間で、葉の形によってさまざまな種類がある水草になります。
草丈の短さからも流木や石に活着させた時に好きな形状に調整しやすいのは利点ですね。
強い光を必要とはしないので、他の活着水草の下草として活着させ、ボリュームや流木の角を守るといいでしょう。
ただ、フナには捕食されやすい傾向がありますので、一概にはおすすめできませんね。
流木への活着の仕方
ここからは実際に水草の活着の方法について解説していきます。
「アヌビアス・ナナ」とベースとなる流木や石を用意します。
流木や石は植物を乗せた状態でひっくり返らないような大きさ、重さを選択しましょう。
使用するアヌビアスの根っこが伸びすぎている場合は、扱いやすい長さ(5~10cm)までトリミングして調整します。
アヌビアスをベースに上に置きます。気に入った箇所で接着剤で固定しましょう。
なお使用する接着剤は水中で成分が溶けださないものを選ことが大事ですね。
植物の根とベースを刺繍糸や釣り糸等でぐるぐる巻きにして完全に固定して完了です。
使用する糸はなるべく暗い色のものを選ぶと目立たなくていいですね。
活着した水草を水中に沈めて植物が動かなければ成功です。
後日、根が伸びて流木にしっかりと絡みついていたら糸を取り除いた方が見栄えが良くなります。
まとめ
ということで、今回は水草の活着について解説していきました。
どの活着水草も水槽内に置くだけで魅力的なレイアウトを作ることができるので、おすすめですね。
また、照明や二酸化炭素の添加も不要なので、幅広い水槽で扱えるのもメリットだと思います。
活着させることは少し手間かもしれませんが、
大きめの水槽でフナを飼育する方はこの方法を活用して長期間の水草水槽を楽しんでみましょう。
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