今回は日本淡水魚メインのアクアリウムで使用される日本に自生している水草について解説していきます。
水草はホームセンターやアクアショップにたくさん売られていますが、
私たちの身近な用水路や水田、ため池にも魅力的な水草が自生しているはずです。
どんな水草が身近にどれだけ生えているのかを知るためにも、できるだけ、日本産の水草を中心に探して育ててみましょう。
また、採集する時には水草の自生地を破壊しないように、
水草が生えている量や状況を確認して、必要最低限を採集してくださいね。
水草が好きでも自生地を壊してしまったら
本末転倒ですからね。
日本産の水草
意外にもペットショップで販売している水草の中にも日本産の水草が存在します。
ヘアーグラス(マツバイ)やリシア(カズノゴケ)なども名前が違うだけで意外と川に生えている姿を見ることができるかもしれませんね。
バイカモ(梅花藻)
バイカモはキンポウゲ科の淡水植物で、梅の花に似た白い小さな花を梅の花に似た、白い小さい花を5月中旬~9月下旬まで咲かせ、7月下旬~8月下旬にかけて見頃を迎えます。
梅花藻と呼ばれるこの水草は、水温14℃前後の清流にしか育たず、全国でも生育場所が限られています。
水温管理が難しい水草ですから、
一般の熱帯魚水槽での育成はおすすめしません。
エビモ
続いて紹介するのは「エビモ」です。ヒルムシロ科の植物で沈水性の水草で多年草です。
全体的に緑褐色です。水中茎は平たい形状で分枝しています。葉は互生し、無柄でわずかに茎をまく。
葉の先端部はとがることなく丸みがある。縁は波状にちぢれて細かい鋸歯がある。茎の先や葉腋から花柄をだし、淡黄褐色の小さい花を穂状につける。
近縁種に「ヒロハノエビモ」という水草があり、名前のとおりエビモと比べて葉の長さが広いのが特徴です。
こちらは一年草で冬になると枯れてしまいます。
クロモ
次に紹介するのは「クロモ」です。オオカナダモと同じトチカガミ科の水草で、フナとの相性がいいですね。
コカナダモに似ているが、節から輪生状に出る葉の数が6枚前後と多い。葉の縁に鋸歯が目立つこともコカナダモとの違いである。
夏に白い花を咲かせる。受粉して種子をつくる。コカナダモやオオカナダモのように茎がちぎれて増殖することもできる。また、葉の根元や枝の先に殖芽でき、この殖芽から殖えることもある。
ネジレモ
湖とその水系だけに見られる琵琶湖の固有種の水草です。
葉がねじれていることからこのなまえがついており、アクアリウム業界では「スクリュー・バリスネリア」という名前で流通していることが多いのではないでしょうか。
比較的粒子の荒い砂や礫の底質の比較的浅い水域に見られる。
夏から秋にかけて花を咲かせる。葉には鋸歯がある。地下茎はコウガイモのようにざらつかない。越冬芽はできない
キクモ
次はキクモです。オオバコ科の植物で、日本にも分布している水草ですね。
アクアリウム業界では「アンブリア」という名前で流通しており、こっちの名前の方が親しみがあるかたも少なくないのではないでしょうか。「金魚藻」の一つとして挙げられることも多いですね。
水中葉は柔らかく水にたなびくような茎と葉をもち、葉も細く柔らかい羽毛のような感じになる。
秋に薄紫色の小さな花を咲かせます、水中葉では花は咲かないが、閉鎖花をつけて結実する
タヌキモ
水中に生育する浮遊性の多年草です。
葉は水面付近に浮いており、平面的に羽状に細裂する。食虫植物で葉に袋状の捕虫のうがある。
花は水面からつきでた高さ10〜25cmの茎の先に4〜7個つき、黄色をしています。
水草の採集方法
事前に許可をとる
田んぼや池などでは、多様な水草を見つけることができます。
しかし、そうした場所は私有地ですので、採集は必ず許可を得てから行いましょう。
地方の田んぼなどでは、ごく普通に許可なく採集が行われていることもありますが、本来は個人の土地であることを考え許可を得るのがベストです。また、採集の際には必要以上に水辺を掘り返すなどの、生き物や環境を脅かす行動は控えることが大前提です。
根を傷つけないようにする
水草を採取するときは水草の”根”をいたわってあげましょう。
採取した水草はショップで販売している水草とは違い、貝や小さな水生昆虫が付着している場合がほとんどです。
それらの生物はなるべく採集した時点で取り除いておきましょう。
水草を採集するときは素手で直接行うのがオススメです。
ただし、サイズが大きく、根がしっかり張っているような水草は抜けにくい場合もありますので、その場合は無理に引き抜こうとせずスコップなどで深く掘って採取しましょう。
そのまま水槽に入れては行けない
採集してきた水草は、田んぼや川から採ってきた水草には農薬がついていたり、雑菌がついている場合があります。
必ず水道水などでしっかり洗うなど、水草のトリートメントをしてから水槽にいれるようにしましょう。
水草のトリートメント
野生の水草にはスネールや虫、魚や虫の卵などがついています。また、田んぼで採取させてもらった場合は田んぼで使用した農薬がついていることも。
そういった有害生物・有害物質を除去するために、水草のトリートメントをおこないましょう。
1週間ほどして、害虫やごみが浮いてこなくなったら完了です。
水草表面についた付着生物、雑菌などを取り除く水草用のコンディショナーもあります。
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