今回は水草の中でも水面に漂っている「浮遊植物」とフナの関わりについて解説していきます。
浮遊植物とは
根が水底に固着せずに水中や水面を浮遊している植物です。
水生植物における形態の一つで、根を水底に張らないで水中に漂っています。
そのため、必要な栄養塩類を水中から吸収するため、富栄養な水域で繁茂するのが特徴です。
そんな浮遊植物も二種類存在しており、葉が水面に浮いている「浮葉」のものと、葉の大半が沈んでいる「沈水葉」のものです。
「ウキクサ」や「ホテイアオイ」のように水面を浮遊する水草はガス交換や光合成の方法が浮葉植物と共通しています。
一方で、ムジナモやマツモのように水面下に浮遊している種は葉の機能が沈水植物と共通しています。
ちなみに、小さい植物プランクトンの場合も一応は浮遊植物に含まれます。
その生育の状態から浮水植物、浮漂植物、浮表植物とも言われますね。
浮遊植物の一例
ホテイアオイ
現在、魚と最もかかわりが深い水草で言えば、ホテイアオイでしょうか。
現在はホームセンターなどでも販売されており、屋外飼育においては魚の産卵礁や日除けや隠れ家にもなります。
メダカの場合は根っこに卵を産むことがありますが、フナの場合はあまりないですね。
むしろ根っこをかじってしまうことの方が多いのではないでしょうか。
安価に入手でき、青紫色の綺麗な花を咲かせる浮き草なので、ビオトープなどで見る機会は比較的多いですが、外来種ですから野生に生えている姿はあまりみたくないですね。
ウキクサ
次に紹介するのは「ウキクサ」です。ウキクサは多年草の浮遊植物で、葉の大きさは2mm前後の小さくて丸い葉が特徴です。こちらも外来種であり、南米産の水草ですね。
この水草は背丈が高くはならず、横へと繁殖していきます。
この水草は小さい上に増殖力がすごいため、他の水草に紛れ込れて水槽に入っていくとどんどん繁殖して、気がついたら水面全体がウキクサで覆われていた・・・ということも少なくありません。
そのような場合はもう一つずつ取り除いていくしかありませんね。
ちなみにフナを飼育していると普通にウキクサの根をかじるため、気がつくと枯れていたりします。
マツモ
続いて紹介するのはマツモです。水槽のレイアウトとしても使用されるマツモですが、「金魚藻」としても知られる水草の一つです。
多年生の「沈水性浮遊植物」なので、水面に浮かべたままでも水中に沈めてもよく育ちます。
枝別れして増えるので、比較的増殖させやすい水草としても有名ですね。
成長が早く、水中の養分を吸収することからも「水質浄化性能が高い」水草としてアクアリスト産からは人気があります。
ムジナモ
同じく沈水浮遊植物のムジナモです。食虫植物の一種で水中のミジンコを捕獲します。
花は水面に咲かせます。
アクア界隈ではウトリクラリアという名で流通していますので、入手自体は容易ですね。
浮遊植物とフナ
フナにとっての浮遊植物は魚の日除けや隠れ家としての役割があります。
浮遊植物があるおかげで水温の上昇を抑えたり、水面が覆われたりして陸上の外敵に襲われにくくなるメリットもあります。
また、浮葉植物と比較して根が地中に埋まっていないことからも餌として根っこや葉を食べてしまうこともありますね。
まとめ
ということで、今回は浮遊植物について解説していきました。
水面から浮いている水草であり、我々と馴染みの深い水草です。
水槽での育成は難しいので、ぜひビオトープなどでフナの隠れ家や産卵礁として楽しんでみてくださいね。
コメント