今回はフナ飼育における産卵の準備について解説していきます。
メダカを繁殖させている家庭は多いですが、フナは繁殖できるのかな?と思いの方もいるでしょう。
不可能ではありません。

これを読めばフナや金魚の産卵に必要なものや選び方を知ることができます。
親魚の選び方|雌雄の選別

オスメスの見分け方
繁殖に使用するフナ(親魚)は、前年から飼育してきた二年魚や三歳魚が親魚として使用できます。

ここではいくつかフナの成魚の性別を確認する方法を解説していきます。
水槽にメス同士だったりオス同士だったりで産卵できないというハプニングが起きないようにあらかしめ性別を確認しておきましょう。

でも、性別ってどうやって確認するんですか?
体の大きさ(同じ条件で飼育した場合)
・メスは体形が大型になる。
・オスは小型で鰭が長い。
繁殖期の体型
・メスは卵巣が成熟するので、腹部が横に張り体の表面がなめらかになる。
・オスは腹部が張らず体表面が粗雑になる。
生殖孔
・メスは円形に近く、やや突き出している
・オスは、楕円形で突き出ていない。
また、産卵期にはオスの胸鰭や鰓蓋、鱗などに「追星」という角質の白点があらわれます
ただ、これは老成したメス個体にも出る場合がありますので、一概には言えませんね。
腹部を軽く圧するだけで卵や精液を出すようになりますので、産卵時期になると手をふれただけでも容易に判別できるようになります。
親魚に適した個体
オスの場合は2歳魚以上、メスは3歳魚以上の個体の成魚を選びましょう。
8歳を超えると老成して産卵をしなくなることもあるので、8歳以上の老成個体は避けた方がいいでしょう。
丈夫な卵を産む個体の特徴として、普段からエサをよく食べて腹部が成熟しているといいですね。
産卵用水槽の準備|分離飼育

繁殖を行う手順としては3月の上旬に飼育している水槽や池から産卵用の飼育環境へと移動させましょう。

別の水槽に移さないと産卵しないのですか?
分離させて飼育をしないと、フナが産卵時期になると随時産卵をしてしまいます。
タイミングや準備ができないと、採卵できずに卵が傷んでしまったり、腐敗した卵により水質悪化がさらに進んでしまいます。

十分な準備や経験がないと採卵が失敗しやすくなりますから、
可能な限り別の水槽などで分離飼育してあげてくだいね
体長10cm前後のフナは一回の産卵行動で、5000粒ぐらい卵を産みます。
採卵計画に沿って、採卵数を決めておきましょう。
早い時期から水換えをして魚体を刺激したり環境を変えたりすると、産卵が早くなる傾向があります。
なかなか産卵行動をしない場合には試してみてくださいね。
産卵礁の準備と選び方|魚巣

フナの卵はほかのものに付着する性質があり、ほかの物に産みつける性質があります。
採卵する際には卵を産みつける産卵礁(魚巣)を用意する必要があります。

魚巣がないと卵がガラス面や底砂などに付着し
取り出しにくくなりますからね。
水草
基本的には天然の金魚藻を用いることも多いですね。
近年は観賞魚店で産卵用の水草が安価で手に入りますから、産卵前に購入して準備しておきましょう。

メダカ用に産卵用の水草の需要が増えて
安価に出回るようになったのは嬉しいですね。

屋外で飼育しているならばホテイアオイを、
屋内で飼育しているならばカボンバがおすすめです。
ただ、水槽に入れておくと多かれ少なかれフナが食害してしまいます。
これらの水草は日光や水質環境にうるさい植物ですので、長期間使用することが難しいのも欠点ですね。

そのため、食べられてしまうことを想定して使用予定量をより少し多めに用意しておくと多いですね。
産卵礁の代用品

また、水草以外でも魚巣の代用できるものもあります。
保存のきくシュロ皮、柳の根、ヒゲノカズラ、ポリエチレンテープを加工したものならば採卵することは可能です。
アクの出るものは、一度煮沸または水に侵漬してアク抜きを行っておき、
適当な長さにそろえて束ねて取り扱いを便利なようにしておくといいですね。

水草と比べてフナに食べられる心配はないですし、
来年以降も使い回しができたりできるのはいい点ですね。
ちなみに産卵時に魚巣に付着する卵は全体の50~60%とされており、残りは付着せずに池の底に落ちて死滅します。
そのため、水底にも敷巣を作成しておくと落下した卵も付着する可能性があがりますね。
まとめ
ということで、今回はフナの産卵において必要なものについて解説していきました。
水槽と採卵用の水草さえあれば産卵の準備をすることは可能ですので、よろしければ試してみてくださいね。
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