今回はフナからはじまる生物学の中から寄生虫学としての基礎を紹介していきます。
これから寄生虫ついての記事を書いていきますから、基本情報として覚えておきましょう。
これを読めば寄生虫の基本を知ることができるでしょう。
寄生虫は英語で「Parasite」です。
意味は「他の動物の脇にいて、その動物から栄養を得る生物」ですね。
寄生する生物は動物だけでなく、植物や菌類、細菌など多様です。この寄生虫がとりつく相手のことを「宿主」と言いますが、宿主に辿り着くのは決して容易ではありません。
しかし、一旦寄生してしまえば、時には何年にもわたって宿主から栄養をとり続けることができます。
寄生虫は宿主の生活様式に合わせて生活しており、宿主にとりつくためにさまざまな工夫もみられます。それがさらに進むと、特定の宿主でしか寄生できない種類も現れていきます。
寄生虫の中でも変わった見た目をしているのが多いのはそのためですね。
また、一生のうちにいくつもの宿主を変えて渡り歩くものも中には存在します。
タイノエとオオグソクムシの比較。
同じ甲殻類でダンゴムシのような見た目をしている2匹ですが、形態は大きく異なります。
オオグソクムシの甲殻は外的から身を守るために硬くできていますが、
寄生生活を送るタイノエは体が柔らかくできています。
オオグソクムシは歩行に適した長い足を持っており、目も大きいですが、
タイノエは宿主を掴むための鍵爪をもち、目が退化しています。
このように生活方法によって外見も大きく異なっているんですね。
寄生虫は自由生活性の動物を起源しているのですね。
寄生虫の形態の特徴
寄生虫は、寄生生活を送るために、宿主の体に取りつき栄養をとり、子孫を残す工夫をしてきました。その結果寄生虫にはさまざまな形態的特徴がみられます。
宿主の体表のとりつく
吸盤や爪で宿主の体表に取り付き、そこから体液を吸い取ったり毒素を流したりします。 外見で確認ができますね。
フナの場合、イカリムシやチョウモドキが当たりますね。
宿主の臓器に寄生する
これは寄生虫を体内にとりこんでしまった場合、各々の臓器に移動して寄生をしていきます。
その臓器で生活をするために適した形状をしていることが多いですね。
宿主の筋肉に寄生する
これは第2中間宿主のパターンが多いのですが、宿主の体表に侵入してからは体の表面や筋肉に潜んでおり、宿主に害をなさないのです。そして宿主が天敵に捕食されるのを待ちます。
捕食されたのちは体内の一定の部位に寄生し栄養を取ることが多いですね。
寄生虫と多様性の生物学
人体に寄生していく寄生虫は激減してはいますが、世界に目を向けると多くの国や地域の人々が寄生虫病に苦しめられています。
また、家畜や魚などの産業動物の寄生虫病は、経済的被害も及ぼします。
しかし、寄生虫の全体から見れば、人間にとって有害なものはごく一部になりますね。
人間の活動は環境を変化させます。動物が新しい環境に移入されると、その動物とともに寄生虫が定着し、元々の生物間の関係を大きく変えてしまうこともあります。
また、地球の温暖化によって、マラリアやデング熱などの危険な寄生虫やウィルスを運ぶ熱帯性の蚊の分布域が拡大しています。
寄生虫が地球上からいなくなれば良いのでしょうか?
実はそうはいきません。多様な生物がバランスを保って生活している環境では、寄生虫も重要な位置を占めています。寄生虫が消滅してしまうと、その生態系は不安定化していきます。
寄生虫を含めて存在価値のない生物はいないんですね。
まとめ
ということで、今回は寄生虫についての基礎を解説していきました。
寄生虫について正しい知識を持っておきましょうね。
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