今回はフナが食べる昆虫について解説していきます。
フナは淡水魚で、水の中でたくさんの生き物を食べて生活しています。その中でも、水棲昆虫はフナにとっては大切なエサです。
水棲昆虫とは、水の中で生活する虫のことを指し、主にカやトンボなどの水辺に生息する昆虫の幼虫になります。
フナの大きな口で水底の泥ごと吸い込み、泥を濾して水棲昆虫のみを食べています。
水棲昆虫を食べることで、自然のバランスが保たれて水の中の生態系が健全に維持されています。
フナが捕食する水棲昆虫の種類
フナは雑食性の魚で、小さな水棲昆虫をよく食べます。
ここでは、フナがよく捕食する代表的な水棲昆虫について紹介します。
1. ユスリカの幼虫(Chironomidae larvae)
まず紹介するのはアカムシことユスリカの幼虫です。
ユスリカの幼虫は、一般に「赤虫」と呼ばれ、淡水や汚れた水に生息する小さな虫の一種です。
小さくて赤色や茶色をしていて、ミミズのような形をしています。。
この赤色は、体内に含まれる「ヘモグロビン」というタンパク質が酸素を効率よく取り込むのを助けているためです。我々の血液にも含まれていますね。
このユスリカの幼虫は水底の泥や植物の間に生息し、細かい有機物や微生物を食べて成長します。
自然環境の健康状態を判断するための指標生物としても利用されることがあり、彼らが多く見られる場所は水質が悪化していることが多いので、環境問題を考えるきっかけにもなります。
フナは泥の中を掘り返して、ユスリカの幼虫を探し出して食べます。
2. カゲロウの幼虫(Ephemeroptera nymphs)
次に紹介するのはカゲロウの幼虫です。
カゲロウの幼虫は「ニンフ」とも呼ばれ、水の中で生活しています。
体は細長く、褐色や緑色などで保護色になっていることが多いです。体の両側には小さなエラがあり、水中で呼吸します。
川や湖などの水草や石の下、泥の中に生息しています。水質の良い場所を好みます。
石の下や水草の間に隠れていることが多く、主に藻類や小さな生き物を食べています。成長すると羽が生えて、空を飛ぶ成虫になります。
フナは水中を泳ぎながら、カゲロウの幼虫を捕まえて食べます。
3. カワゲラの幼虫(Plecoptera nymphs)
カワゲラの幼虫は、小さな昆虫で、細長い体を持っています。
色は茶色や灰色で、水の中に溶け込みやすい色をしています。足が6本あり、頭に触角があります。
カワゲラの幼虫は、きれいな川や小川に住んでいて、石の下や水草の間などに隠れて暮らしています。水が汚れていると生きられないため、彼らがいる場所は環境が良い証拠です。彼らは水中の小さな有機物を食べて成長します。
フナは水底を探し回って、カワゲラの幼虫を見つけて食べます。
4. トビケラの幼虫(Trichoptera larvae)
トビゲラの幼虫は、水中に住む昆虫です。体は細長く、やや柔らかく、色は黄褐色や緑色をしています。
幼虫は小さな石や植物のかけらを集めて作った筒状の巣に入っていて、これを使って身を守ります。この巣を背負って、水の中をゆっくりと移動します。
トビゲラの幼虫は、主に川や湖、池などのきれいな水辺に生息していて、水質の良い場所に多く見られます。幼虫は水中の微生物や小さな植物を食べて成長します。
フナは泥の中を掘り返して、トビケラの幼虫を探して食べます。
6. ミズムシ(Corixidae larvae)
ミズムシは、淡水の川や池に生息する小さな生き物です。
体は細長く、節のある柔らかい体を持ち、透明や茶色などの色をしています。
体長は数ミリから数センチで、主に水底の泥や石の間に隠れています。
ミズムシはデトリタスと呼ばれる有機物を食べており、環境をきれいにする役割も果たしています。
水の中に潜り込むことが得意で、水質が良い場所で多く見られます。彼らは魚のエサにもなり、川の生態系にとって重要な存在です。
フナは水中を探しながら、ミズムシを見つけて食べます。
7. トンボの幼虫(Orthetrum albistylum larvae)
トンボの幼虫は「ヤゴ」と呼ばれ、水中で生活しています。
見た目は、茶色や緑色で、細長い体を持ち、足が6本あります。頭が大きく、目が目立ちます。
水草や石の隙間に隠れて生活し、エラで呼吸をします。エサは、小さな水生生物や虫の幼虫です。
ヤゴは水辺の川や池、田んぼなどに住んでいて、成長すると水から出てきて、成虫のトンボになります。
フナは泥の中を探しながらトンボの幼虫を見つけて食べますが、フナの稚魚は逆にトンボに捕食されることもあります。
まとめ
フナはこのような小さな水棲昆虫を食べて生きています。
食べる昆虫について知ることで、フナがどのように生きているのか、また生態系全体がどのように機能しているのかがわかります。
このように、フナが食べる昆虫について理解することは、自然を守るためにも大切なことです。
フナが健康に育つ環境を守ることは、水中の生物全体にとっても良いことなのです。
これからもフナについて学び、自然環境を大切にしていきましょう。
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