ギンブナが日本全国に生息できる理由|種間競争

生態学

今回はギンブナをはじめとするフナが全国に生息できる理由について解説しています。

多くの人々がフナを認識しているというのは「多くの水辺に生息しているという魚である」というのが理由の一つでしょう。

事実、ギンブナは日本全土の河川や湖沼にはば広く生息しています。
どうしてここまで生息域が広いのでしょうか。

ここではフナ類の生息域が広い理由とギンブナ独自の繁殖方法について解説していきます。

ギンブナとは

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ギンブナは日本全土の川や池に広く生息する淡水魚です。体長は20〜30cm、体色は銀褐色です。
雑食性で、水中の植物や小さな昆虫、プランクトンを食べて生きています。

環境への適応力が高く、きれいな水から少し汚れた水まで、さまざまな場所で暮らすことができます。

詳しくはこちらをご覧ください。

フナ類が日本全土に生息できている理由

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ギンブナが日本全土に生息できる理由は、以下のような特徴があるからです。

環境への適応力が高い

フナは水質の変化にも比較的強く、きれいな水でも少し汚れた水でも生息できます。

フナは他の川魚と比べて酸欠にも強く、水温が高くなる田んぼでも生存することができています。
また、一般的な川魚と比べてBOD(生物、化学的酸素消費量)という指標では5PPMまでなら耐えるという結果も出ています。

先生
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結果としては河川の中下流域、池、湖など
さまざまな淡水環境で生きることができます。

食性の幅広さ

フナ類は雑食性で、藻などの水棲植物やアカムシなど小さな昆虫、プランクトン、小魚など食性の偏りがなくいろいろなものを食べることができます。

先生
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これにより食べ物が豊富でない水域や食物の種類が限られた環境でも
生きていくことができています。

繁殖力の強さ

次に語るべき点といえば繁殖力が強さでしょうか。

フナ類は一度の産卵で100〜500粒と多くの卵を産むことができます。
また、粘着卵ですので水草や岩にくっつくことができ、流されることも少ないです。環境に関係せずに産卵を行うことができます。

タナゴなどは二枚貝が産卵に不可欠ですが、フナ類はそういうものは必要ないですから環境に左右されません。

当然、他の生物に食べられてしまうことも少なくありませんが、多い産卵数や適応力の高さによりさまざまな場所で数を増やしやすくなっています。

気候への対応力

日本は南北に長く地域によって気候が異なります。
フナ類は寒さや暑さに比較的強いので、さまざまな気候条件で生きられます。

先生
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これらの理由から、ギンブナは日本のさまざまな地域に適応し、
生息することができているのです。

ギンブナ独自の強み

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このようにフナ類の環境へ対する適応性について語ってきましたが、
ここからはギンブナ独自の強みである繁殖方法についても触れておきましょう。

ギンブナがオスなしで繁殖する方法

ギンブナのメスがオスなしで繁殖する方法は、「単為生殖(たんいせいしょく)」と呼ばれています。

通常、動物はオスとメスが交尾して卵が受精し子どもが生まれます。
ギンブナは少し異なり他の魚(例えばオスのフナやコイなど)の精子を使います。
当然、種が違うため、この精子は卵を受精させません。その代わりに刺激を与えることで、卵が発育を始めます。

こうして生まれる子どもは、すべてメスであり、遺伝的には母親と同じになります。

先生
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この特別な方法で、ギンブナは効率よく繁殖できるのです。

この繁殖方法の利点と欠点

この繁殖方法の最大の利点といえば、産卵できる個体が通常の個体と比べて多いということでしょう。
一般的に雌雄の比が1:1の魚と比べると、全ての個体がメスならば産卵できる個体が事実上2倍になります。

また、わざわざオスとメスが巡り合う必要もなく、他のコイ魚類が産卵している場所に卵を産むだけで済みますから、非常に効率が良いですね。

しかし、単為生殖の場合は遺伝的多様性が少ないのが欠点です
そのため、病気が広がりやすかったり、進化の可能性が低かったりします。遺伝的多様性がないため環境が変わったときに、生き残るための新しい特性を持つ子どもが生まれにくくなります。

先生
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そのため、単為生殖を行う生物は特定の環境では強いですが、
変化には弱いことがあります。

まとめ

ということで、今回はギンブナをはじめとするフナ類が日本全土に生息できている理由について解説していきました。

近年は外来種の移入や生息環境自体の損失により数も減りつつあります。
今後とも多くの人々にフナという存在が消えないように見守り続けていこうと思います。

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