
今回は「諏訪湖環境研究センターとフナの展示、環境保全の取り組み」について解説していきます。
環境問題って、ちょっと難しそうに思えるけど、諏訪湖を見てみると私たちの暮らしと密接に関わっていることがよくわかるんだよ。

えっ、諏訪湖ってそんなに身近なんですか?
フナがどう関係するんですか?

そうですね。実はフナの姿からも、湖の今と昔が見えてきます。
では、詳しく見ていきましょう!
諏訪湖環境研究センターとは

諏訪湖環境研究センターは、2024年4月1日に長野県岡谷市に開設された、湖沼や河川の水質と生態系を総合的に調査・研究する施設です。
これまで別々だった「環境保全研究所」と「保健福祉事務所の水質検査部門」が統合され、水質と生態系の「適切なバランス」の維持を目指しています。
1階には常設展示(平日9時~16時)があり、諏訪湖の成り立ちや生息する動植物について紹介されています。
地域住民に向けた学びの場や情報発信拠点としても重要な役割を果たしています。
また、県内外の研究機関と連携し、調査・研究成果の共有・普及にも力を入れています。

この施設のエントランスは無料で、誰でも自由に入ることができますが、水槽展示はありません。
あくまで「諏訪湖環境を学ぶ初心者講座」のような位置づけの施設です。
フナの展示について
施設内に水槽展示はありませんが、フナに関する展示パネルは2か所で確認できます。
「諏訪湖に生息している生物」紹介パネル

「フナ」という名前で紹介されており、ナガブナ・キンブナ・ギンブナ・ゲンゴロウブナの4種について、種の違いや形態、生態、環境との関わりが紹介されています。
諏訪湖の固有種であるナガブナについては、もう少し強調されてもよいと感じました。
「人工魚礁」紹介パネル

人工魚礁とは、かつて「エゴ(入江)」と呼ばれた水生植物の多い場所を参考に、水草を植えた浮きを湖面に浮かべ、自然石を積んで魚の住処や産卵場所を人工的に再現する試みです。
挿絵にはフナらしき魚が描かれており、おそらくギンブナを想定していると思われます。
個体数の減少が懸念される中、このような人工魚礁が個体数の回復に貢献することを期待しています。
諏訪湖創生ビジョン

「諏訪湖創生ビジョン」は、20年後(2038年)の諏訪湖を「人と生き物が共存し、誰もが訪れたくなる湖」とする将来像を描き、その実現に向けた施策の道筋を示した取り組みです。
初年度は2018年度で、5年ごとに施策の見直しが行われ、地域全体でビジョンの実現を目指す「諏訪湖創生ビジョン推進会議」も設置されています。
生態系保全
- 湖内の動植物を管理
- 外来動植物の駆除
- 水質保全
水質の改善
- 湖底の貧酸素状態の軽減
- 湖辺空間のまちづくり
既存資源の活用
- 豊かな湖畔空間の形成
- 貧酸素と風の影響
諏訪湖のような浅い湖では、風によって湖底の泥が舞い上がり、同時に湖底にたまった酸素の少ない水もかき混ぜられて表層へ移動します。
強い風が吹けば、湖水が全体的にかき混ぜられ、貧酸素の解消に役立ちます。
一方、風が弱いと湖水がかき混ぜられず、酸素不足の水が魚類に悪影響を及ぼす可能性があります。
諏訪湖と流入河川の特徴

諏訪湖には31本の川が流れ込んでいますが、流れ出る川は天竜川1本のみです。流域面積は諏訪湖の約40倍にも及び、周囲の森林や農地からチッ素やリンなどの栄養塩類が流れ込んでいます。

また、水深が浅い湖であることも水質悪化しやすい要因ですね
深い湖
風で表層の水しかかき混ぜられないため、湖底の汚れは舞い上がらない
浅い湖(諏訪湖)
風によって湖水全体がかき混ぜられ、湖底の汚れが水中に拡散されやすい

このように自然豊かに見える諏訪湖ですが、
実はとても汚れやすい湖なんですね。
富栄養化の原因

富栄養化の原因となるのは、主に生活排水や農薬・肥料に含まれるチッ素やリンです。
これらを栄養源として植物プランクトンが増殖します。そしてプランクトンが死ぬと分解され、チッ素・リンが再び湖水に溶け出す

その結果、さらに富栄養化が進行していきます。
対策
浚渫工事・覆砂工事
諏訪湖では、水質改善のため以下の工事が行われています。
浚渫工事
湖底の土砂や泥を取り除く工事
覆砂工事
良質な砂で湖底を覆い、シジミの生息環境改善などを図る工事
水草「ヒシ」の大量繁茂とその対策

ヒシの異常繁茂は、以下のような悪影響を及ぼします。
- 湖水の貧酸素化
- 船の運行への支障
- 悪臭の発生
このため、ヒシの刈り取り作業が継続的に行われています。
貧酸素水塊の調査と対策
湖底の貧酸素がワカサギなど魚の大量死の一因とされています。
「貧酸素水塊」の動きを調査し、湖岸部における覆砂工事の効果も研究されています。
新たな課題:マイクロプラスチック
近年、海洋プラスチックごみの問題が深刻化しています。その中でも、5mm以下のプラスチック片=マイクロプラスチックは、生態系や食物連鎖に取り込まれることで深刻な影響を及ぼすと懸念されています。
しかし、こうしたプラスチックごみの多くは海で発生したのではなく、私たちの生活圏である陸上から流れ出たものと考えられています。
まとめ

ということで今回は「諏訪湖環境研究センター」について解説していきました。
湖を守るための研究や取り組みって、実は私たちの未来とも関係しているんですよ。

なるほど
フナや水質の話も、ただの自然じゃなくて人の努力が関わってるんですね!

これをきっかけに、身のまわりの水辺の環境にも目を向けてみようね。


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