天竜川の自然・魚・災害と防災対策の歴史|天竜川とふな

陸水学
先生
先生

こんにちは、今日は「天竜川の自然と災害」について解説していきます。地理や生き物、災害の歴史など、天竜川を多角的に見ていきましょう。

女の子
女の子

よろしくお願いします!天竜川って長野県から静岡まで流れている川ですよね。
どんな特徴があるんですか?

先生
先生

そうです。
上流は急流で浸食が強く、下流では砂礫がたまる特徴があります。
今回はそれだけでなく、そこに住む魚や過去の災害、防災の取り組みまで幅広く見ていきますよ。

男の子
男の子

なるほど、川の特徴だけじゃなくて、災害や防災のことも関係してるんですね!

天竜川とは

天竜川は長野県の諏訪湖を起点とし、静岡県浜松市から遠州灘に注ぐ延長213kmの河川です。

上流では急流が多く、浸食作用が強い一方、中・下流では砂礫の堆積が顕著で、河床変動が大きいのが特徴です。

水力発電用ダムが多数建設されており、流水量や水温、溶存酸素量などにも影響を及ぼしています。

流域は降水量が比較的多く、地下水との関係や洪水リスクも注目されています。

先生
先生

陸水学的には、自然流況と人為的制御が複雑に関係する代表的な河川といえます。

地理学

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天竜川は中部山岳地帯を南北に貫き、日本列島の地形区分上でも重要な役割を果たします。
流域は長野、愛知、静岡の3県にまたがり、山地・峡谷・盆地・平野と多様な地形を通過します。

特に南アルプスの影響を受け、険しい地形と断層帯が密集しており、地質学的にも注目されています。

また、流域の農業や林業、水運の歴史も深く、地理学的には人間活動と自然環境の関係を読み解く鍵となります。

先生
先生

戦後の治水開発や移住政策も、地域形成に大きな影響を与えてきました。

生物学

天竜川には渓流から下流まで多様な環境が広がり、イワナやアマゴなどの冷水性魚から、アユやフナ、ウナギといった温暖な水域を好む魚まで幅広く生息しています。

上流は渓流魚が中心で、中下流では雑食性の魚が多く見られます。

天竜川に生息する主な魚
  • イワナ(Salvelinus leucomaenis)
  • アマゴ(Oncorhynchus masou ishikawae)
  • ニジマス(Oncorhynchus mykiss)
  • アユ(Plecoglossus altivelis)
  • ウグイ(Tribolodon hakonensis)
  • オイカワ(Opsariichthys platypus)
  • カワムツ(Nipponocypris temminckii)
  • コイ(Cyprinus rubrofuscus)
  • フナ類(例:ギンブナ Carassius langsdorfii)
  • ウナギ(Anguilla japonica)
  • カジカ(Cottus pollux)
  • メダカ(Oryzias latipes)
  • カワバタモロコ(Pseudorasbora pumila)
  • スナヤツメ(Lethenteron reissneri)
先生
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天竜川に生息するフナは主にギンブナ(Carassius langsdorfii)と考えられます。
地域によっては外見が異なる個体もおり、在来系統や交雑個体が含まれている可能性もあります。

天竜川の災害記録

災害の特徴(飯田地域)

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飯田市付近の天竜川沿いでは、江戸時代に発生した「未の満水」以来の大規模な河川の氾濫が起こり、一帯が水没する事態となりました。

また、風越山など周囲の山々は崩れやすい地質(風化したカコウ岩)で構成されており、
豪雨により竜西の支川や小河川から発生した土石流は、山麓部から天竜川沿いの低地まで広範囲を埋め尽くしました。

「未の満水」とは

1715年(正徳5年)6月、梅雨時の長雨による豪雨によって天竜川流域で甚大な土砂災害が発生しました。

この年が未年であったことから、「未の満水」と呼ばれています。

6月17日から降り始めた雨は、18日早朝から豪雨となって降り続き、被害は天竜川やその支川の流域一帯に広がりました。

川路や高森町では天竜川が増水して諏訪湖のような満水状態となり、飯田城下では死者32名、家屋流失118軒、堤防破損2580間という記録が残っています。

この災害は、後の三六災害を上回る規模だったと推測されています。

三六災害とは

昭和36年(1961年)6月に発生した三六災害は、江戸時代・正徳5年(1715年)の「未の満水」以来の大きな水害・土砂災害でした。

梅雨末期の豪雨が直接の原因でしたが、周囲を高い山々に囲まれ、気象条件によって大雨が降りやすい地形、風化すると砂状になりやすいカコウ岩が広く分布し、さらに断層も多い地域であることも、災害発生の要因となりました。

流域では土砂災害や河川の氾濫が各地で発生し、多くの人的・物的被害をもたらしました。

防災対策を進めている

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飯田地域では防災施設の整備が進められており、
かつて氾濫被害の大きかった「かわらんべ」周辺の川路・龍江・竜丘地区では、三六災害と同規模の洪水が起きても氾濫しない安全な土地となりました。

また、土石流や地すべり、がけ崩れの危険がある渓流では、
砂防事業によって被害を抑える対策が講じられ、災害の発生リスクや被害の規模が大きく低減しています。

天竜川を展示している水槽施設

天竜川総合学習館 かわらんべ

天竜川総合学習館「かわらんべ」は、飯田市と国交省の共同運営の総合学習施設です。

天竜川の自然・歴史・文化・治水をテーマに展示と実験設備が充実し、川魚のミニ水族館、立体模型、図書室、サイエンスラボなどを備えています。

毎週の自然体験講座や、夏の「かわらんべ祭り」、地域コミュニティ活動の拠点としても活用され、
子どもから大人まで楽しみながら防災や環境について学べる施設です。

まとめ

先生
先生

ということで今回は「天竜川の自然と災害」について解説していきました。
川の流れや地質、生き物、そして歴史的な災害や防災まで、さまざまな側面から天竜川を見てきましたね。

男の子
男の子

すごく勉強になりました!
天竜川って自然も豊かだけど、それに伴って災害も多いんですね。
でも、ちゃんと防災の工夫も進んでいるとわかって安心しました!

先生
先生

そのとおり。自然と共に生きるためには、理解と備えがとても大切です。
これからも身近な川をよく観察してみてくださいね。

女の子
女の子

はい、また天竜川を見に行ってみたくなりました!

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