今回はフナを生で食べてはいけない理由についてと対処方法について紹介して行きます。

「フナを生で食べたい!」と考えたことはありますか?

そもそもフナを食べる地域があるんですか?

はい、一部地域では「フナの刺身」や「鮒の子まぶし」など、フナ生食で楽しむ文化が根付いています。
しかし、多くの場所でフナを生で食べることは避けるべきとされています。

その理由は何なのでしょうか?

特に注意すべきなのが寄生虫とされています。
この記事では、フナを生で食べることが推奨されない理由や寄生虫のリスクについて詳しく解説していきます。また、刺身として安全に食べるための対策についても触れていきます。

それでは、フナの刺身に潜む危険性を一緒に見ていきましょう!
フナを生で食べてはいけない理由|泥臭さが原因?


まず、フナを生で食べることを避けるべきとする理由の1つに、
「泥臭さ」や「生臭さ」といった風味の問題が挙げられます。

確かに泥臭い印象は感じますね。
フナは湖や川底の泥や砂の中にいる小さな生物を食べて生活しているため、その泥臭さが身に残ることがあります。
フナはなまじゃ食えないはずさ、泥臭い生臭い、Fish! Fish!Fish!
実際、過去にリリースされた野猿の楽曲「Fish Fight!」の歌詞にもあるように、フナの生食に対する風刺的な表現がされているほどです。

確かに、生食ではその独特の泥臭さを感じることもあるでしょう。
フナの泥臭さを取り除くには?


フナの泥臭さの原因は、主に胃袋と皮にあります。
そのため、これらの部位を適切に取り除けば、臭みを軽減することができます。
特に調理の技術がある人なら、フナの身を美しく捌き、刺身として味わうことも可能です。
また、食する際には生姜や酢味噌を持ちいて食べると川魚独特の泥臭さが感じにくくなります。
ただし、泥臭さがなくなったとしても、それだけで安全に生食できるわけではありません。

次に述べる寄生虫のリスクが、真の問題と言えるでしょう。
フナを生で食べてはいけない本当の理由|寄生虫の危険性

フナの刺身を避けるべき最も重要な理由は、「寄生虫の感染リスク」です。
フナには、いくつかの危険な寄生虫が潜んでいる可能性があります。

ここでは特に代表的な寄生虫の3種類とその危険性について解説します。
肝吸虫(かんきゅうちゅう)

肝吸虫は、フナの筋肉に寄生する寄生虫の1つです。
この寄生虫に感染すると、人体の肝臓や胆道に入り込み、次のような症状を引き起こします。
- 腹痛
- 下痢
- 吐き気
- 食欲不振
- 体重減少
さらに、慢性的な感染では肝臓や胆道の炎症を引き起こし、重篤な合併症につながることもあります。
過去には「肝臓ジストマ」とも呼ばれ、寄生虫感染の代名詞的存在として知られています。
横川吸虫(よこかわきゅうちゅう)

横川吸虫は、フナの筋肉や皮膚に寄生する吸虫です。この寄生虫が引き起こす症状として、「黒点病」が知られています。感染したフナの体表には黒い斑点が現れるため、これを「ゴマフナ」と呼ぶこともあります。
ただし、横川吸虫は魚に対する影響が主であり、人間への感染リスクはほとんどありません。
有棘顎口虫(ゆうきょくがっこうちゅう)
有棘顎口虫は、アジアやオセアニアなどに生息する寄生虫で、フナの筋肉や内臓に寄生します。この寄生虫に感染すると、幼虫が人体内を移動し、以下のような症状を引き起こします。
- 浮腫(むくみ)
- ミミズ腫れ
カムルチー(雷魚)の踊り食いなどで感染例が報告されており、フナの生食もリスクとなる可能性があります。
フナを刺身で安全に食べるには?
寄生虫感染のリスクを回避するためには、以下の方法が考えられます。
冷凍処理
寄生虫を死滅させるには、マイナス20℃以下で24時間以上冷凍することが推奨されています。しかし、一般家庭の冷凍庫では対応が難しく、専用の業務用冷凍庫が必要です。
また、冷凍処理を施すと、魚の品質に次のような影響が出る可能性があります。
- ドリップ(解凍時の液体)の流出
- 色味の退色
- 食感の変化
これらの点から、冷凍処理をしても刺身としての風味を十分に楽しむのは難しいとされています。

地域ごとの事情
一部の地域では、寄生虫が少ない環境で育ったフナを生で食べる文化があります。
しかし、これはあくまで地域限定の状況であり、ほとんどの地域ではフナの生食は推奨されていません。

寄生虫感染のリスクがゼロではないため、
生食文化がある地域でも一定の注意が必要です。

リスクを感じても食べたい魚ではありますけどね
まとめ
今回はフナを生で食べてはいけないとして肝吸虫による寄生虫の感染リスクについて解説して行きました。
フナを生で食べることには大きなリスクが伴います。特に、寄生虫による感染症は健康に深刻な影響を及ぼす可能性があり、安全な生食を実現するには高い技術や設備が必要です。
もしフナを食べる機会があれば、加熱調理を選び、寄生虫のリスクを回避することをお勧めします。文化的な側面は大切ですが、まずは健康を最優先に考え、安全な方法でフナを楽しみましょう。
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