国内外来種問題とフナの移入まとめ|保全環境学

環境学

今回は国内外来種と移入問題についてとフナの関係を解説していきます。

国外外来種が生態系に対して影響しているものの、国内外来種はどうなのか?と言う観点での説明をしていきます。

国内外来種とは

日本国内の他の地域から人為的に持ち込まれた生物種をいいます。
外国種の国内移入とともに、生態系や生物多様性に及ぼす影響が問題になっている。

この観点からみれば、水産資源確保のための稚魚放流や植林運動なども問題をふくむとされる。

日本産淡水魚類の移植放流

 明治期以降、輸送手段の発達や種苗生産技術の向上は、日本産淡水魚の移植放流にも拍車をかけた。
 釣り魚として親しまれているゲンゴロウブナも元は大阪府の淀川水系原産であったが、品種改良によりできたヘラブナを全国に遊猟目的で移植放流をおこない、今では全国に分布している。

それだけでなく、琵琶湖産のアユを全国に放流している中でも琵琶湖に生息しているニゴロブナやギンブナのフナ類も混入している。

フナの移植史

ゲンゴロウブナ(アクアワールド・大洗にて)

それでは、実際に国内外来種としてのフナについて見ていきましょう。

フナの場合は3種類、ゲンゴロウブナ、ギンブナ、ニゴロブナです。

しかし、アユの放流などで仔魚に混じって移植されてしまう事例も存在するので、この種だけとは言い切れません。オオキンブナも生息域を東に進んでいますしね。

ゲンゴロウブナ:国内外来種

 本種はプランクトン植物を主食とする一次消費者のため、個体数の割には水域生態系への影響がそれほど大きくないと考えられる。移植は古くから行われており、1930年には茨城県霞ヶ浦に放流されている。ただし多くは釣りを目的としたもので、食用魚としての移植は非常に少ない。

 全国の湖沼に生息しているのは釣りを目的とされた放流が原因である。

 現在、環境省レッドリストの絶滅危惧IB種に指定されているのは、原産地で個体数が減少しているためである。

ギンブナ:国内外来種・国外外来種

 琉球列島には在来種以外に中国、台湾、日本本土から導入されたフナ属の1種がいることが遺伝的研究によりわかってきた。近年、琉球列島に生息する在来種が外来種に生息地を追われている。

しかし、外部形態で分類できない為、非常に危機迫る問題の一つである。

ニゴロブナ:国内外来種

 現在、琵琶湖では本種の数が減っている為、放流事業が行われている。しかし、本亜種は富山県に移植されていることが確認されている。

※これは、「外来種ハンドブック」(日本生態学会編、2002年)の外来種リスト(魚類)の情報に基づいている。

国内外来種への法規制

ギンブナ(琵琶湖博物館にて)

 国内外来種問題の多くは国外外来種に対する輸入規制同様、理論的には生物の移動を制限する事で未然に防ぐことができるだろう。しかしながら、歴史的にも社会の通念上も在来種の国内での移動を法的に強く規制することはきわめて困難である。農作物に影響を与える害虫の拡散を防止するために、植物防疫法によって果実の移動を制限して成功した事例はあるが、それは、地理的な特性を生かしたからこそである。

動物愛護管理法では、飼育生物の放逐を禁止したり、危険生物の厳重な管理を義務ずけているが、魚類は対象外である。種の保存法では、希少種の生息地に問題を起こす生物の導入規制しているが、そのような生物が指定されたことがないのは既述の通りである。魚類の場合は持続的養殖生産確保法によって防疫を目的とした。魚類の移動を制限できるが、国内の外来種全体からみれば、それはむしろ例外的なものである。

 一方、日本では、内水面漁業における資源保護の観点から、内水面漁業調整規則によって水産動植物の移植を規制している場合がある。例えば滋賀県では、1951年に県内に生息していない水産動物(卵を含む)の移植を禁止した。また、1960年代以降、福島、埼玉、新潟、山梨、長野、愛媛、佐賀の各県でも、県内に生息していない水産動植物の移植を規制した。

生物多様性の保全という観点から評価するべき取り組みであるが、一般市民にはほとんど知られておらず、私的放流に対しては実効性という面では大いに問題があった。国内外来種問題の解決には法的規制も必要であるが、同時に子供たちへの教育や一般市民を対象した復旧啓発の重きを置いた取り組みを推進すべきだ。  

コメント