今回は魚の寿命と年齢について、フナの観点から解説していきます。
私たちが飼っている金魚、いったいあと何年生きるのかなぁ。
水族館にいるあの大きな魚の年齢はいったい何年生きているんだろう?
そう思うことはありませんか。
これを読むことで魚の寿命を知り、
魚の成長や生活史を学ぶことができます。
短命な魚から長寿の魚まで、あまり知られていない魚の寿命について知ることと同時に長生きの秘訣も出てきます。
ぜひ、あなたの飼育している魚を長生きさせるように一緒に考えてみましょう。
魚の寿命
そもそも、魚の寿命というのはどのように調べたらいいのでしょうか。
魚が生まれてから何年生きるのかを調べることは簡単に見えてとても困難です。
なぜなら川や海のような水中で生活している魚を直接観察し続けるということは不可能だからです。
その為、魚の寿命や年齢の調べる方法は限られていて、
漁獲された魚の一部を分析したり、標識をつけた魚を放流したりして調査します。
間接的に推定されたものがほとんどになりますね。
年齢を調べたい方にはこちらの記事がおすすめです。
魚には平均寿命がない
人間の場合寿命というと一般的に「平均寿命」をさすこともありますが、
魚には平均寿命が存在しません。
なぜなら、魚は数多く生まれた卵や稚魚の多くは他の生き物に食べられてしまったり、
病気になってしまったりしてしまい、小さい頃にすぐに死亡してしまうからですね。
その為、平均を取ることに対して意味はないんですね。
ここでは、生き残った魚が生まれてから老化して死ぬまで、
いわゆる最高年齢を「寿命」として考えていきます。
魚の死因
魚が死亡する要因は、寿命というのが非常に少なく、
多くの場合は自分よりも大型の魚や鳥などの動物による捕食によるものです。
また、病気に感染してしまったり、環境の変化という場合もありますが、
その場合も弱ったことにより、遊泳力が失われて天敵に捕食されてしまうということが多いです。
魚の寿命は千差万別
魚の寿命は種類によって大きく異なります。
生後1年やそれ以内に死亡してしまう魚もいれば、30年以上も長生きする魚も存在します。
多くの魚の平均的な寿命は数年から10年程度であると考えられています。
一般的には小さなの魚よりは大きくなる魚の方が長生きし、
活発に泳ぎ回る魚よりもあまり動かない生活をしている魚の方が長生きをする傾向があります。
環境によって長生きする魚
また、魚が生息している環境も寿命には影響することがわかっております。
例えば寒冷地や深海などの低温の環境に生息している魚は長生きするものが多いです。
これは、低温であるほどに代謝が遅くなることが関係しています。
実際に山上湖である本栖湖に生息しているフナは
老成した個体が多くみられるのはこれが影響していますね。
また、外敵が少なく、餌が豊富であり環境が一定である水族館など、
飼育環境下の魚は自然界での寿命よりも長く生きるケースが多いですね。
魚の寿命
長寿な魚
淡水魚の長寿な魚の共通点として、「大型になる冷水性の淡水魚」であるということが挙げられ、
それぞれ数十年から100年以上生きたという記録が残っています。
海水魚の場合も長寿な魚も存在しており、「深海に生息している魚」の方が寿命が長いものが多いです。
浅い海に生息している魚の場合も「大型の魚」の場合は長寿な種類が多い傾向があります。
長寿の魚の要因としては大型の種類の方が長寿な種類が多いですね。
長寿な魚の代表格、コイ
長寿な魚といえば、フナの仲間であるコイがよく挙げられます。
日本をはじめ、世界各地で数百年も生きたという話がたびたび出てきます。
・・・まぁ、そこまでの記録は特別だとしても野生の状態では約20年、
飼育環境では30年〜40年は生きることが記録されています。
これは池などで飼育されていることが多く、年齢が分かりやすい為、
長寿な魚として認識されやすいんですね。
また、山間部や北部の地域では水温が低い時期が多く
変温動物である休眠状態になる期間が多いことも長寿の理由の一つとされています。
短命な魚「アユ」と生き残れる方法
一方、短命な魚といえば、アユが挙げられます。
一年で一生を終える魚ですね。
秋に生まれたアユは川から海へ下り、プランクトンを食したのちに川へ遡上します。
夏は川底の苔を食べて成長して秋に産卵をして死亡する一生になります。
しかし、産卵後にも生き残る個体も存在しており「越冬アユ」とも言われています。
これはメスだけであり、卵巣に残った栄養を再吸収して生きながらえていると言われています。
これは静岡県の柿田川のように通年を通して水温が安定した環境のある河川で見られます。
このほかにも琵琶湖に生息しているアユも海などに回遊しないので、体長こそは低いものの
水温が安定した環境に生息しているために長く生きています。
フナの寿命の目安
最後に金魚やフナの寿命について触れておきましょう。
屋台の金魚すくいやペットショップで販売していエサ用金魚のようにすぐ死んでしまう姿を見ることが多いので、
一般的にはフナの寿命が短いと思われがちです。
しかし、適正な環境で飼育を行えば少なくとも平均で5~7年間は飼育できます。
さらには10歳以上に長生きするフナも少なくありません。
また、記録されている中での最高齢のフナの個体は30歳を越えていおります。
これは、飼育されていた金魚の記録になります。
大切に飼育すればそんなに長生きになるんですね。
ちなみに野生に生息しているフナの寿命「最高年齢」は大体10年とされています。
これはゲンゴロウブナやニゴロブナなどの大型の部類に当たるフナの記録になります。
年齢の推移
金魚の年齢は犬に似ていると言われています。金魚の推移は人の16歳、2歳は24歳、3歳は30歳と増えていきます。3歳からは5歳ずつ増えていくそうです。
魚の年齢 | 人間の年齢に例えると |
1歳 | 16歳 |
2歳 | 24歳 |
3歳 | 30歳 |
4歳 | 35歳 |
5歳 | 40歳 |
6歳 | 45歳 |
まとめ
ということで、今回は魚の寿命とフナの寿命について解説していきました。
- 小型よりも大型の魚の方が寿命が長い傾向にある。
- 冷水帯や深海に生息している魚、飼育環境下の個体は長寿になりやすいこと
- フナの寿命は野生では10年。飼育環境でも10年以上、最高で30歳まで長生きする魚
となります。
飼育している魚を長生きさせる方法についても解説している記事を作成していますので、
よろしければそちらも参考にしてください。
コメント
次男が小学生の頃、近所の用水路で取ってきたフナが30年以上生きています。60cmの水槽で餌はテトラヒィン。水が濁ったら換えるくらいで、酸素ポンプ2本使用しているだけです。余りにも付き合いが長いので家族みたいです。
覚張さん、コメントありがとうございます。
30年以上も一緒に過ごしているフナが、まるで家族の一員のように感じられるお気持ちをとても共感します。
お世話の仕方もシンプルでありながら愛情がこもっていて、フナにとっても幸せな環境だと感じます。
これからもそのフナが元気に長生きしてくれるよう、素敵な時間を一緒に過ごされることを願っています。
そんな長いお付き合いをされているお話を聞いて、とても心温まりましたよ。