
今回は「土浦市立考古資料館のフナ展示」について解説していきます。
一見すると水族館とは無縁そうな施設ですが、実は淡水魚好きにとって見逃せない視点があるんですよ。

考古資料館なのにフナの展示があるんですか?
それはちょっと意外で、どんな切り口なのか気になります。

そうですよね。
水族館とは違う立場から魚が登場するところが、この施設の面白さなんです。

なるほど、いつもと違う「魚の見え方」がありそうですね。
続きを読むのが楽しみです。
今回は、「小さな水族館」という視点から、土浦市立考古資料館を紹介します。
水族館でも自然館でもない、考古学を専門とする博物館でありながら、生きた淡水魚――しかもフナを展示している、非常に珍しい施設です。
考古資料館に“水槽”があるという違和感


土浦市立考古資料館は、レンガ造りのクラシックな建物が印象的な博物館です。
外観からは、いわゆる「考古学の展示」を想像しますが、館内に足を踏み入れると、その予想は良い意味で裏切られます。
常設展示の一角に、大型の淡水魚水槽が設置されており、そこでフナを中心とした霞ヶ浦の魚たちが泳いでいるのです。
考古学系の博物館では、魚が登場するとしても、解説パネルのイラストや出土骨、レプリカでの紹介が一般的です。

生体展示は管理の手間がかかるため、あえて行わない施設も多い中で、本館は「縄文時代の暮らしを、今の生き物で実感させる」という挑戦的な展示を行っています。
縄文人の食料としての魚を“生きた姿”で見る

この水槽展示のテーマは、上高津貝塚から出土した魚の骨に基づくものです。
展示されているフナやコイは、単なる淡水魚展示ではなく、「縄文人が食料として利用していた魚」という文脈を背負っています。

特に印象的なのは、魚類学的な説明よりも、歴史文化の延長線上に魚が置かれている点です。
「この魚は、かつてここで暮らしていた人々の命を支えていた」
その事実を、標本ではなく生きた個体で示していることに、この展示の独自性があります。
フナ専用水槽という贅沢な構成


水槽は150cm以上の大型水槽で、照明は蛍光灯、水質は非常にクリアに保たれています。
展示の主役はギンブナで、体長10cm前後の個体が15匹ほど確認できました。隣接水槽にはコイも展示されており、霞ヶ浦を代表する淡水魚の構成になっています。


レイアウトで特筆すべきなのは、縄文土器が隠れ家として使用されている点です。
これは装飾的な演出であると同時に、展示テーマそのものを水槽内で表現する仕掛けでもあります。単なる自然再現ではなく、「時代」を水槽に持ち込んでいる点が、この施設ならではの工夫だと感じました。
観察して気づいた点

個体をよく観察すると、フナの中には各鰭がやや短くなっている個体が見られました。
病的なものなのか、過去のトラブルによるものなのか、あるいは地域性や成長過程による個体差なのかは判断が難しいところですが、気になるポイントではあります。
ろ過はオーバーフロー式が使われていると推測され、水質管理そのものは安定している印象でした。
訪問時は特別展終了後の撤収作業中で、特別展フロア側からの撮影ができなかった点は少し残念でしたが、常設展示として水槽が設けられている価値は十分に感じられました。
「考古学 × フナ」という強いテーマ性



この施設が伝えようとしているのは、単なる魚の生態ではありません。
貝塚から骨が出土した魚を、現代に生きる姿で展示することで、「過去と現在をつなぐ存在」として魚を位置づけています。
水族館的な派手さはありませんが、学術的・文化的な背景を背負ったフナ展示という点では、非常に濃度の高い“小さな水族館”だと言えるでしょう。
周辺環境とあわせて楽しみたい
施設のすぐ外には、霞ヶ浦という日本有数の湖があります。
展示で見たフナやコイが、実際に生息している環境がすぐ近くにあるという立地は、取材・観察の視点でも非常に魅力的です。
博物館の展示とフィールドを往復しながら考えることで、「展示の魚」がより立体的に見えてきます。
総評:水族館ではないからこそ成立する“小さな水族館”
土浦市立考古資料館は、水族館ではありません。しかし、
「フナをどう展示するか」
「魚をどんな文脈で見せるか」
という点において、非常に示唆に富んだ施設です。
考古学という分野の中で、生体展示という手法を選び、フナを通して縄文時代の漁業文化を伝える。
その姿勢は、小さな水族館を巡る中でも、強く印象に残るものでした。
水族館好き、フナ好き、そして文化と魚の関係に興味がある方には、ぜひ一度訪れてほしい一館です。

今回は「土浦市立考古資料館のフナ展示」について解説していきました。
水族館ではない施設だからこそ、魚が持つ別の魅力や役割が見えてきましたね。

はい、フナが単なる展示生物ではなく、
歴史や暮らしと結びついている点がとても印象的でした。

そうですね。
考古学という分野の中で生体展示を行うことで、過去と現在をつなぐ体験ができるのが、この施設ならではの魅力です。

水族館巡りとは違う視点で魚を見られる、貴重な場所だと改めて感じました。
施設情報
- 住所
茨城県土浦市上高津1843 - 電話番号
029-826-7111 - 公式サイト
https://www.city.tsuchiura.lg.jp/page/dir000569.html - 営業時間
9:00〜16:30 - 休館日
月曜日(祝日の場合は開館)
祝日の翌日
年末年始
※臨時休館あり - 入館料
一般 150円
高校生以下 無料
アクセス
- 公共交通機関
JR常磐線「土浦駅」西口からバス利用
最寄りのバス停下車後、徒歩数分 - 自家用車
常磐自動車道「桜土浦IC」から約10分 - 駐車場
無料駐車場あり

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