
今回は「佐潟とラムサール条約」について解説していきます。
自然と人の暮らしが重なり合う場所として、とても大切なテーマなんですよ。

佐潟って名前は聞いたことありますけど、そんなに特別な場所なんですか?

はい、実は国際的にも重要な湿地として評価されているんです。どうしてそうなったのか、その背景を一緒に見ていきましょう。

なるほど!どんな歴史や取り組みがあるのか、楽しみです。
佐潟とは?ラムサール条約に登録された新潟の湿地
新潟市西区にある「佐潟(さかた)」は、越後平野に残る代表的な潟(湖沼)のひとつです。
約1300年前に形成されたとされ、
周囲の砂丘や浜堤に囲まれた低地に湧き水がたまってできました。

特徴的なのは「流入河川を持たない湖沼」であること。水は主に地下水や湧水に支えられています。


かつては農業用水や漁業に利用され、地域の生活に欠かせない存在でした。現在も多様な動植物が暮らし、特に冬になると数千羽ものハクチョウやガン、カモが飛来することで有名です。
観察小屋から望む一面の白鳥は、まさに圧巻の光景。佐潟は「人が自然と関わり合う」ことを体感できる貴重な場所なのです。
ラムサール条約とは?3つの柱で守る湿地

佐潟は1996年にラムサール条約湿地として登録されました。
ラムサール条約は1971年にイランのラムサール市で採択された国際条約で、正式名称は「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」です。
日本は1980年に加盟し、佐潟は国内で10番目の登録湿地となりました。条約の理念は大きく3つにまとめられます。
- 保全・再生:湿地の自然を守り、回復させること
- 賢明な利用(ワイズユース):人が知恵を持って持続的に利用すること
- 交流・学習・普及啓発(CEPA):自然の価値を学び、広めること

つまり「ただ守る」のではなく
「人が関わりながら未来へ引き継ぐ」ことを目指しているんです。
フナと佐潟|生態系を支える淡水魚

佐潟を語る上で忘れてはならないのがフナの存在です。フナはかつて漁業や食文化を支え、今も生態系の循環を担っています。
- フナは水草や小さな生き物を食べる側でもあり、
- 鳥や大型魚に食べられる側でもある。
この「中間的な立場」が生態系のバランスを保つ鍵となっています。冬に飛来する白鳥やカモたちも、フナを含む多様な生き物がつくり出す環境に依存しています。
さらにフナは環境変化に強く、水質が悪化した時代でも生き残りました。
だからこそ、佐潟の自然を支え続けてきた「タフな魚」とも言えるでしょう。

現在ではフナの存在が湿地の健全さを示すバロメーターと言っても過言ではないでしょう。
地域に根ざす「佐潟の守り方」
潟普請からクリーンアップへ

江戸時代から昭和にかけて、地域の人々は「潟普請(かたぶしん)」と呼ばれる活動を行っていました。これは泥や枯草を取り除き、潟の水質を守る取り組みで、泥は田んぼの肥料にも利用されました。
高度経済成長期に一度途絶えましたが、ラムサール条約登録を機に「佐潟クリーンアップ活動」として復活。
現在では地域住民や行政、市民団体が協力し、年2回の清掃やヨシ刈りを続けています。
ワイズユースの実践例

佐潟では「賢明な利用」の理念が具体的な形で受け継がれています。
- ハスの花をお盆用の「盆花」として利用
- フナやコイ、ウナギ漁の継続
- 潟舟による観光や祭り
- まち歩きや地形ウォーク
こうした取り組みは「自然と文化の共生」を象徴しています。
佐潟の歴史的背景


佐潟周辺からは縄文時代の狩猟具が出土しており、古くから人がこの場所を利用してきたことがわかります。江戸時代には鳥猟や魚漁が盛んで、白鳥を守る取り組みも記録に残っています。
明治以降は農業や生活用水を潟に頼り、夏場には泥を取り除く作業が欠かせませんでした。1960年代までは漁場としても重要で、特にウナギは料亭に卸される名産品。

フナもまた漁の中心として地域文化を支えてきました。
まとめ|佐潟から学ぶ自然と人の共存
佐潟の歴史を振り返ると、「自然を守る」とは立ち入りを禁止することではないとわかります。
むしろ、人が自然のリズムを理解し、フナや水鳥と関わり合いながら暮らしてきたことが、持続的な環境維持につながりました。
保全・再生
賢明な利用
交流・学習・普及啓発
まさに佐潟の歩みそのものです。フナをはじめとする淡水魚や渡り鳥は、自然と人のつながりを今に伝えています。

といことで、今回は「佐潟とフナの関わり」について解説していきました。

なるほど、フナや鳥たちが暮らす環境を守ることは、
人の暮らしにも関わっているんですね。

そうです。
知識として学ぶだけでなく、実際に佐潟を訪れて自然を感じることも大切ですよ。

私も観察会や散策に参加してみたいです!
読者へのメッセージ

もし新潟に訪れる機会があれば、ぜひ佐潟を歩いてみてください。
観察小屋から双眼鏡で白鳥を見たり、岸辺でフナの姿を探したりすれば、「自然と人の共存」を肌で感じられます。地域の清掃活動や学習イベントに参加することも、環境を守る第一歩となるでしょう。

佐潟は、私たちが未来へ伝えるべき「自然と暮らしの記憶」を映す鏡なのです。


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