フナを食べるコウノトリ|絶滅からの復活と自然再生のつながり

環境学
先生
先生

今回は「フナの捕食者|コウノトリ」について解説していきます。

男の子
男の子

フナを食べる生き物って、
身近な川や田んぼにもいるんですか?

先生
先生

そうですよ。しかもフナの存在が、
大空を舞う大きな鳥の命を支えているんです。

女の子
女の子

えっ!あのフナが? 
どんな鳥なんだろう、気になります!

コウノトリってどんな鳥?

白い翼を大きく広げると、なんと2メートルを超える――。
青空をゆったりと滑空する姿は、まさに「田んぼの王者」。

コウノトリ(和名:ニホンコウノトリ、学名:Ciconia boyciana)は、コウノトリ目コウノトリ科に属する大型の鳥で、日本では国の特別天然記念物に指定されています。

全身は白い羽毛に覆われ、翼の先だけが黒色、くちばしは長く黒く、足や目の周りは赤色をしています。身長は約1mを超えるほど大きく、存在感のある鳥です。

野生では30年以上生きる個体も確認されており、長寿な鳥としても知られています。

先生
先生

日本ではかつて全国に生息していましたが、乱獲や農薬の影響で一時は絶滅してしまいました。
しかし、現在は保護活動の成果によって再び野外で見られるようになっています。

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コウノトリは何を食べるのか?

コウノトリの食事の中心は淡水魚。とくにフナやドジョウを好んで捕らえます。
水面をじっと見つめ――一瞬のうちにくちばしを突き立て、獲物をくわえ上げる。

女の子
女の子

その俊敏さはまるで猛禽類のようで、
普段の優雅さとは違う迫力があります。

先生
先生

1日に必要な餌はおよそ500g。フナやカエルが豊富にいる環境がなければ、コウノトリは生きていけません。
つまり「フナの命がコウノトリを支えている」と言えるのです。

コウノトリと日本の歴史

かつて江戸時代の人々にとって、コウノトリは田んぼや川にふつうに見られる鳥でした。
しかし明治以降、乱獲や農薬の普及によってその姿は急速に減少。

1971年、日本最後の野生個体が死に、コウノトリは絶滅してしまいます。

先生
先生

それでも人はあきらめませんでした。

1972年に中国から個体を迎え入れ、試行錯誤の末に人工繁殖に成功。

2005年には兵庫県豊岡市で再び空へ放たれました。

先生
先生

今では関東や東北でもヒナが育ち、
300羽以上が大地と空を行き来するまでに復活しています。

保護活動と環境づくり

コウノトリの保護は単に鳥を増やすだけでなく、「自然の再生」と一体となって行われています。豊岡市をはじめ、全国でさまざまな取り組みが進められています。

川での取り組み

各地の川では湿地環境の再生が行われています。

  • 江戸川では「ワンド」と呼ばれる湾状の場所を造成し、小魚や貝が生息できる環境を確保。
  • 渡良瀬遊水地では洪水対策とあわせて多様な湿地を形成。
  • 荒川中流部(鴻巣市・大間地区)では、浅瀬や深場をつくり、生物多様性を高める整備が進められています。

田んぼでの取り組み

田んぼでも生きものに優しい工夫がなされています。

  • 魚やカエルが移動しやすいよう「魚道」を設ける
  • 水を抜く時期に逃げ場となる「江(え)」をつくる
  • 冬でも水を張る「冬水田んぼ」で水鳥の休息地を提供

また、農薬を減らし、代わりに黒酢を散布する試みも行われています。

先生
先生

こうした環境づくりは、コウノトリだけでなくフナやメダカなど、田んぼの生きもの全体を守ることにつながります。

コウノトリとフナの関係

フナは、ただの小魚ではありません。
田んぼの水路にフナがいることで、コウノトリは餌を得て命をつなげます。

「フナがいるからコウノトリがいる」――このシンプルな関係は、生態系の本質を映し出しています。もし農薬でフナがいなくなれば、コウノトリも生きられません。

先生
先生

だからこそ、フナを守ることはコウノトリを守ることであり、
さらに言えば私たちの暮らしの自然や文化を守ることにつながるのです。

まとめ

コウノトリは、日本の自然と人間の暮らしの歴史を映し出す存在です。一度は絶滅したものの、保護活動と環境づくりによって復活しつつあります。その背景には、フナをはじめとする田んぼや川の小さな生きものたちの存在があります。

「フナがいるからコウノトリがいる」。この食物連鎖を理解することは、環境問題を考えるうえで大切な視点です。高校生のみなさんも、自分たちの地域の川や田んぼを見つめ直し、そこに暮らす生きものたちとのつながりを意識してみてください。

先生
先生

今回は「コウノトリ」について解説していきました。

男の子
男の子

自然のつながりって思っていた以上に奥が深いんですね。

先生
先生

そうですね、生きもの同士の関係を知ると環境の大切さがよく分かります。

女の子
女の子

これからは身近な自然を見るときに、そのつながりを意識してみたいです。

参考文献
  • 国土交通省 関東地方整備局 荒川上流河川事務所『荒川中流部 自然再生の取り組み』
  • 兵庫県立コウノトリの郷公園公式サイト
  • 環境省「生物多様性と湿地保全に関する資料」
  • 豊岡市コウノトリ保護活動報告書
  • 野田市コウノトリ放鳥事業関連資料
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