
今回は、滋賀県にある水槽展示施設 びわこベース を再訪問してきました。
2回目の訪問となりますが、相変わらず営業時間が金・土・日曜日に限定されているため、予定を調整しながらの訪問となりました。
気軽に立ち寄れる施設ではないものの、その分「狙って行く価値のある場所」だと改めて感じさせてくれる施設です。
びわこベースは、施設全体の規模自体は決して大きくありません。


しかし、その割に水槽数が多く、内容も非常に濃いのが特徴です。展示の中心は淡水魚ですが、カエルやサンショウウオなどの両生類、さらにはヘビといった爬虫類まで幅広く展示されており、「地域の水辺の生き物」を総合的に紹介する空間となっています。
特に印象的なのは淡水魚展示です。


壁一面に複数の水槽が整然と並び、琵琶湖に生息する魚類を軸にしつつ、タナゴ類、ナマズ類、コイ類、ハゼ類などが分類学的な視点で展示されています。

単なる寄せ集めではなく、「なぜこの魚がここにいるのか」「どのような仲間なのか」が意識された展示構成であり、見ていて非常に納得感があります。
フナ展示の充実ぶりと変化


個人的に、びわこベースの大きな魅力のひとつがフナ類の展示です。
関東地方ではなかなか見ることのできないキンブナや、限られた湖沼でしか確認されないナガブナなどが、しっかりと分類された形で一水槽ごとに展示されています。

フナ好きとしては、この時点で訪問する価値を強く感じてしまいます。
今回の再訪問では、フナ展示にいくつかの変化が見られました。
まず、入口付近の60cm水槽に展示されていたギンブナが、施設奥の水槽で単独飼育に変更されていました。

以前はニゴロブナとともに「琵琶湖のフナ」として混泳展示されていましたが、ギンブナは日本各地に広く分布する種であることを考慮し、展示の位置づけを見直したのだと思われます。
正直なところ、琵琶湖水槽から外されてしまったことには少し寂しさも感じました。
しかし一方で、幼魚同士の混泳ではギンブナとニゴロブナの識別が難しくなる場面もありました

その点を踏まえると、分類を重視する展示としては、今回の変更は非常に理にかなった判断だと感じます。


今回観察したニゴロブナは比較的小型の個体でしたが、施設内でブリードされた個体が展示に使用されているとのことでした。
展示魚を自施設で育成し、その成長段階も含めて見せていく姿勢は、この施設ならではの強みだといえるでしょう。

若干尾鰭に黒点がありますので、おそらくは横川吸虫に寄生されているのだとは思いますが、特に感染するものではないので見た目には若干違和感がありますが気にしなくても良いでしょう。
地域性を意識した新展示



さらに今回、新たな展示として「コイ×フナの交雑個体」「琉球列島のフナ類」「北海道に生息するフナ類」が確認できました。

特に後者の2つは、地域性に焦点を当てた展示であり、フナを一括りにしない姿勢が強く感じられます。
北海道に生息するフナ類を実際に見るのは今回が初めてでしたが、体高が低めで体色に赤みがあり、ナガブナに近い印象を受けました。


同じフナであっても、地域によって姿や雰囲気が異なることを、実物を通して実感できる展示は非常に貴重です。
こうした展示を見ていると、いずれは連休を取って北海道の水族館や展示施設を巡ってみたいという思いが自然と湧いてきます。
展示デザインにも注目


水槽背面の壁面には有孔パネルが使用されており、人工的でありながらもどこかラボ的、かつ自然観察施設らしい雰囲気を醸し出していました。

展示全体として無機質すぎず、かといって過度に演出しすぎない絶妙なバランスが保たれており、観察に集中できる空間づくりがなされていると感じます。

個人的にも、今後の展示やレイアウトの参考にしたいスタイルです。
まとめ
びわこベースは、小規模ながらも展示内容の密度が非常に高く、特に淡水魚、なかでもフナ類に注目して見ると何度訪れても新しい発見があります。
展示方法の変更や新規展示からは、「ただ並べる」のではなく、「どう見せ、どう伝えるか」を常に考えている姿勢が伝わってきました。

再訪問でその魅力を改めて実感できた、非常に満足度の高い時間でした。


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