
今回は「生物多様性とSDGs」について解説していきます。
最近よく聞く言葉ですが、実は私たちの身近な自然とも深く関わっているテーマなんですよ。

SDGsというと難しそうな印象がありますが、
自然とどうつながっているのか気になります。

大丈夫です。
専門的な話だけでなく、身近な視点から考えていきましょう。
自然を知ることで、SDGsが少し身近に感じられるはずです。

なるほど。
身近な自然から考えられるなら、読み進めやすそうですね。

「SDGs」とは、Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)の略で、
世界中の人々がこれから先の世代まで安心して暮らし続けられる社会をつくるための共通の目標です。
貧困や飢餓、環境破壊、気候変動など、さまざまな問題を同時に解決していくために17の目標が定められています。
このSDGsの土台にあるのが生物多様性です。
生き物の種類の多さだけでなく、森・川・湖・湿地・海といったさまざまな生態系がつながって成り立つしくみそのものが、人間の暮らしを支えています。

私たちが毎日口にする水や食べ物、きれいな空気や安定した気候も、生物多様性の働きによって保たれているのです。
SDGsと生物多様性の深い関係


SDGsの中で、生き物と直接関係するのは
14「海の豊かさを守ろう」と
15「陸の豊かさも守ろう」です。

生き物の生息地を守るってことですものね。
しかし実際には、生物多様性はそれ以外の目標にも深く関わっています。
- 6「安全な水とトイレを世界中に」
森や湿地、川がきれいな水をつくる - 2「飢餓をゼロに」
魚や作物、野生生物が食料を支える - 13「気候変動に具体的な対策を」
森林や海が二酸化炭素を吸収する

このように、
生物多様性は「自然のインフラ」として、社会全体を支えています。

広い目で見るとかなりの目標と関わっているんですね。

そうなんですよ、
そして自然が壊れれば、私たちの生活も同時に不安定になってしまうのです。
フナが生きる水辺は「生物多様性の縮図」



ここで、身近な魚であるフナに目を向けてみましょう。
フナは日本の川、湖、用水路、ため池、湿地など、さまざまな水辺に生きています。
流れのある川だけでなく、少し濁った水や浅い湿地にも適応できるため、昔から里山の水環境を代表する魚でした。
フナがいる水辺には、水草、プランクトン、昆虫、貝、微生物など、たくさんの生き物がいます。
フナはそれらを食べ、また鳥や大型魚に食べられることで、水辺の食物連鎖の一部になっています。

ひとえにフナだけでもこんなに他の生き物と関わっているんですね

つまりフナは、水辺の生物多様性の中で重要な「つなぎ役」なのです。
湿地と里山がフナを育ててきた


フナが多くいた時代の日本には、湿地と里山が広く残っていました。
湿地は、川の水があふれてできる浅い水域で、水をためるスポンジのような役割を果たします。大雨のときは洪水を和らげ、乾燥した時期には水を少しずつ川に戻します。

湿地はフナの産卵場所であり、「稚魚のゆりかご」だったんですね。

一方、里山は人が田んぼや雑木林を管理することで維持されてきた半自然の環境です。
田んぼ、用水路、ため池は、フナにとって理想的な水辺ネットワークでした。
人の暮らしと自然がうまく共存していたからこそ、フナも安定して生き続けることができたのです。
フナが減ることはSDGsの警告でもある

しかし、コンクリート護岸、河川改修、湿地の埋め立て、農業や都市排水による水質悪化などによって、水辺の環境は大きく変わりました。その結果、フナが減り、地域ごとの在来系統が失われつつあります。
これは単なる「魚が減った」という話ではありません。
水をきれいにする力、洪水を和らげる力、生き物を育てる力が弱まっているという、SDGsの視点から見ても深刻なサインです。
フナを守ることは、私たちの未来を守ること

今回は「生物多様性とSDGs」について解説していきました。
身近な自然が、私たちの暮らしや未来と深く結びついていることが分かりましたね。

はい。
水辺や湿地、里山といった場所が、ただの自然ではなく大切な役割を持っていることが印象に残りました。

そうですね。
フナが生きる環境を通して、水辺というフィールドの魅力や価値を改めて感じてもらえたと思います。

自然を守ることが、私たちの生活を守ることにつながっていると実感できました。
実際に水辺を見に行きたくなりますね。
フナが泳げる川、産卵できる湿地、水草が茂る里山の水辺を守ることは、SDGsが目指す「持続可能な社会」そのものです。水辺の生物多様性を守ることは、私たちの食料、水、気候、そして文化を守ることにつながります。
身近なフナという魚を通して水辺を見直すことは、生物多様性とSDGsをつなぐ、とても具体的で実感のある入り口なのです。
フナのいる水辺を未来に残すことが、私たち自身の暮らしを未来につなぐことでもあるのです。

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