宍道湖と斐伊川水系|フナの生息する水域

陸水学

宍道湖とその周りの自然について、解説していきます。

宍道湖について

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宍道湖(しんじこ)は、島根県にある汽水湖です。汽水湖というのは、川の水(淡水)と海の水(海水)が混ざり合った湖のことです。

宍道湖の基本情報

面積
79.3平方キロメートル(日本で7番目に大きい湖です)

周囲の長さ
47キロメートル

平均水深
4.5メートル

最大水深
5.8メートル

塩分濃度
平均0.3%(塩分が少し含まれています)

大きさ
南北に6キロメートル、東西に17キロメートル

宍道湖には、26本もの川が流れ込んでいます。その中でも一番大きいのが「斐伊川(ひいかわ)」です。

宍道湖の特徴

宍道湖の塩分濃度は季節や水深によって変わります。

たとえば、夏には湖の東西で塩分濃度が大きく異なることがありますが、
冬になるとその差は小さくなります。

また、湖の表面近くよりも、底の方が塩分が高いのが特徴です。

宍道湖と中海の生態系

宍道湖と中海(なかうみ)は、島根県と鳥取県の境にある隣り合った湖です。

この2つの湖はとても近い場所にありますが、塩分濃度が大きく異なります。
宍道湖の塩分濃度は海水の約1/10ですが、中海は1/2と宍道湖の方が淡水寄りの塩分濃度になりますね。

そのため、それぞれの湖に住む生き物も異なっております。
宍道湖では淡水魚や淡水生物が多く見られ、中海では海水魚が多く見られます。

宍道湖に住む生き物たち

宍道湖には、たくさんの種類の生き物が住んでいます。

例えば、ギンブナやコイ、ニホンウナギ、テナガエビ、モクズガニなどが見られます。
これらの生き物は、宍道湖で一生を過ごすものもいれば、川と海を行き来するものもいます。

特に汽水湖である宍道湖では、川の生き物と海の生き物の両方が見られるのが特徴ですね。

宍道湖と斐伊川水系

宍道湖は、斐伊川という大きな川の一部とも言えます。
斐伊川は島根県の中央を流れ、中海を通って日本海に流れ出ます。

斐伊川水系には、大小合わせて200本以上の川が含まれており、その範囲は島根県東部の広い地域に及びます。

斐伊川水系の生き物たち

斐伊川水系には、上流から下流、そして日本海まで、多くの種類の生き物が暮らしています。

過去の調査では、170種類以上の魚類が確認されていますが、
それに加えて他の水辺の生き物も含めると、200種類以上の生き物がこの地域に住んでいることがわかっています。

河川と生態系

川にはたくさんの生き物が住んでいますが、そのほとんどは川の上から見ただけではわかりません。

川底には、小さな魚や水生昆虫、サワガニなどが隠れています。これらの生き物たちは、川の生態系を支える重要な存在です。

宍道湖及び斐伊川水系に生息するフナ類

最後にこの水域に生息しているフナ類について解説していきましょう。
ここに生息しているフナ類は2種類で「ギンブナ」と「ゲンゴロウブナ」です。

ギンブナは日本全国の河川に生息するフナ類であり、西日本の河川にも多く見られています。
特にギンブナは宍道湖は名産であり、冬場になると漁獲され、刺身としても楽しまれているほどだそうですね。

もう一種類のフナ類であるゲンゴロウブナは移入種であり、おそらく「ヘラブナ釣り」として湖に放流された個体であると考えられます。

また、西日本には「オオキンブナ」という大型で体高の低く体が黄色がかった個体も存在するのですが、残念ながら確認はできていません。

先生
先生

宍道湖で漁獲されるフナの中にオスの個体が存在するという話はありますから、
ギンブナではなくオオキンブナが混獲されている可能性は十分に考えられますね。

宍道湖や斐伊川水系を再現した水族館「宍道湖 自然館 ゴビウス」

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最後に宍道湖や斐伊川水系の環境を展示している水族館である「ゴビウス」について軽く紹介しておきましょう。

「宍道湖 自然館 ゴビウス」は、島根県松江市にある水族館で、宍道湖や中海の豊かな生態系を紹介しています。

展示は、地元の淡水魚や汽水魚を中心に、魚類、甲殻類、貝類など約120種類、5,000匹以上が観察可能です。

また、生き物の生態や環境保護について学べる展示も充実しており、
訪れる人々に宍道湖の自然の魅力を伝えています。

先生
先生

家族連れや自然愛好家におすすめのスポットです。
出雲大社でお参りした帰りに立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

まとめ

宍道湖や斐伊川水系の自然環境はとても豊かで、多様な生き物たちが共存しています。

この環境を守るためには、川や湖を汚さないようにすることが大切です。一人ひとりが自然を大切にすることで、この素晴らしい環境を未来に残していくことができます。

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