
今回は「アクアマリンふくしまのフナ展示」について解説していきます。

アクアマリンふくしまにもフナが展示されているんですね。
どんな見せ方をしているのか気になります。

ここでは、フナそのものよりも、周囲の環境と一緒に見ることが大切なポイントになっています。

なるほど、
水族館の中でも少し違った視点で楽しめそうですね。
今回の訪問では、アクアマリンふくしまにおけるフナの扱われ方を軸に、淡水展示全体を観察しました。
滞在時間は約2時間です。目的は、ギンブナやゲンゴロウブナといったフナ類が、どのような文脈で展示空間に組み込まれているのかを確認することでした。
アクアマリンふくしまについて

アクアマリンふくしまは、「魚を並べて見せる水族館」ではなく、海の成り立ちや環境そのものを体感させる水族館として設計された施設です。展示は分類順ではなく、生態系や地理的背景を軸に構成されており、館内を巡ることで、海を旅しているような感覚が得られます。
自然光を積極的に取り入れた建築も特徴で、水槽展示でありながら屋外に近い明るさと開放感があります。
潮目水槽(黒潮と親潮)


アクアマリンふくしまを象徴するのが、黒潮と親潮が出会う「潮目」を再現した大水槽です。
暖流系と寒流系の魚が同じ空間を泳いでおり、日本近海が生物多様性に富む理由を直感的に理解できます。
スケールの大きさと奥行きがあり、全体を眺めても、個々の魚に注目しても楽しめる展示です。
シーラカンス関連展示





シーラカンスに関する展示では、標本や模型、映像を通して、その進化史や特異な生態が紹介されています。
珍しさを強調する展示ではなく、なぜ現代まで生き残ったのかという視点で構成されている点が印象的です。
魚類の進化や海の歴史に興味がある来館者にとって、印象に残るコーナーです。

海洋展示全体の特徴全体として、分かりやすさよりもリアルな環境再現を重視した展示構成になっています。

短時間で見て回るよりも、
立ち止まって水槽を眺めることで魅力が伝わる水族館なんですね。

そうです。
このあと解説する淡水コーナーと合わせて見ることで、海から川へとつながる生態系の流れがより明確に感じられますよ。
環境を主役に据えた「ふくしまの川と沿岸」展示




淡水コーナーに入ってまず感じたのは、「水槽を見る」というよりも「環境の中を覗き込む」ような感覚でした。
用水路を再現した水槽では、ゲンゴロウブナを2個体確認しました。コイ、ニゴイ、ナマズと同居しており、底質は砂泥、流れは緩やかです。
フナは底層で採餌行動を見せており、群れとして目立つ存在ではなく、環境の一部として自然に溶け込んでいました。


特に印象的だったのは、ここでフナが外来種として扱われている点です。
種名を前面に押し出す展示ではなく、地域の水域に入り込んだ生物の一つとして配置されており、評価や価値判断を観察者に委ねる余白が残されていました。
湖沼展示における「見えなさ」を含めたリアリティ




淡水コーナー末端の湖沼展示では、ギンブナを2個体確認しました。行動は非常に隠蔽的で、砂をついばむ様子が一瞬見える程度でした。同居しているタナゴは婚姻色がはっきりしており、カワニナとともに展示の雰囲気を引き立てています。


一方で、背景演出は非常に作り込まれており、水草の量も多いため、魚が背景に溶け込みやすい構成です。その結果、観察の難易度は高くなっています。
しかし、この「見えにくさ」こそが、この展示の核だと感じました。常に魚が見えることを前提としない設計は、野外での生きもの観察に近い体験を来館者にもたらしています。
うなぎ弁天でのフナの立ち位置





ウナギ展示エリア「うなぎ弁天」では、ギンブナを1個体確認しました。流木の近くに定位し、ウナギやカワアナゴと同じ水槽で泳いでいます。演出上は水槽の賑やかし役のようにも見えますが、サイズは明らかに大きく、単なるエサ魚とは異なる存在感がありました。


この水槽は、捕食者と非捕食者が同じ空間で共存する構成となっており、私にとって理想的な淡水水槽の一つです。静けさの中に緊張感があり、鑑賞するというよりも、生きもの同士の関係性を読み取る展示だと感じました。
びおびおつながりの里――見えない展示の価値



「びおびおつながりの里」では、今回フナの姿を直接確認することはできませんでした。
ただし、パネルによって生息が明示されており、「生息しているが見えない」こと自体が展示内容の一部になっています。


当日は風が強く気温も低かったため、フナは深場や隠れ家に入っていた可能性が高いと考えられます。
次回は暖かい季節に、浅瀬と深場の境界を意識して再観察したいと思います。自然らしさが際立つこのエリアは、時間をかけて歩くことで魅力が伝わる展示です。
総合考察:フナは主役ではないが、不可欠な存在

今回は「アクアマリンふくしまのフナ展示」について解説していきました。

フナが目立つ展示ではないけれど、
環境の中で生きている姿を感じられる水族館だと分かりました。

そうですね。
魚を見せるだけでなく、水辺の環境そのものを体感できる点が、この施設ならではの魅力です。

じっくり観察することで、何度も訪れたくなる水族館ですね。


アクアマリンふくしまの淡水展示の最大の強みは、分類学的に「魚を紹介する」展示ではなく、生態学的に「環境を再現する」ことに徹している点です。
フナは主役ではなく、脇役、あるいは背景として扱われています。そのため、常に姿が見られる展示ではありません。
しかし、水槽のサイズや奥行き、豊富な植生によって、「水槽展示」という枠を超え、実際の野山の池を室内に切り取った断面図のような体験が成立しています。自然度と学習性は非常に高い一方で、一般来館者には分かりにくく、素通りされやすい展示である点は惜しいところです。
温室構造のため、寒さや暑さの影響を受けにくく、自然光に近い環境でじっくり観察できる点も大きな魅力です。フナを「見る」のではなく、「探す」水族館として、季節を変えて何度も訪れたくなる施設だと感じました。
施設概要
- 住所
〒971-8101
福島県いわき市小名浜字辰巳町50 - 電話番号
0246-73-2525 - 公式サイト
https://www.aquamarine.or.jp/ - 営業時間
3月21日〜11月30日
9:00〜17:30(最終入館は閉館1時間前まで)
12月1日〜3月20日
9:00〜17:00(最終入館は閉館1時間前まで) - 休館日
年中無休 - 入館料
大人(高校生以上)1,850円
小学生・中学生・高校生 900円
未就学児 無料
アクセス
- 公共交通機関
JR常磐線「泉駅」から路線バスで約15分
「イオンモールいわき小名浜」下車 徒歩約5分
または「支所入口」下車 徒歩約10分 - 自家用車
常磐自動車道「いわき湯本IC」から約20分
常磐自動車道「いわき勿来IC」から約30分 - 駐車場
あり(約1,500台)
駐車料金:無料

コメント