
今回は「新潟のフナ」について解説していきます。
里山の川から田んぼ、そして日本海へとつながる流れの中で、どんな生き物たちが暮らしているのかを一緒に見ていきましょう。

新潟って雪の国っていうイメージが強いですけど、水辺も豊かなんですね。

そうなんです。四季ごとに景色を変える自然の中で、フナをはじめとする魚や生き物たちが私たちの暮らしと深く結びついているんですよ。
里山と水辺の生き物たち

新潟県長岡市を例にすると、海岸部の寺泊から信濃川の流域、田んぼやため池を経て守門岳の山々まで、実に多様な環境が広がっています。
春の田んぼではカエルの合唱が響き、夏の小川ではメダカやドジョウが泳ぎます。秋には稲穂が揺れ、冬は雪解け水が再び川を潤す。この循環の中に、フナも暮らしています。
フナは流れの緩やかな池や田んぼの用水路を好み、人々の生活にもっとも近い魚の一つといえるでしょう。
一方で、ホトケドジョウなどかつて里山で普通に見られた魚の姿は少なくなりつつあります。自然と人との関わり方が未来を左右することを実感させられます。
守門岳の上流域 ― 冷たい水を好む魚たち


標高1,500mを超える守門岳の谷川は夏でも冷たく、イワナやヤマメといった冷水魚が暮らします。ニジマスの放流も行われ、釣り人を楽しませていますが、本来の生態系とは異なる存在でもあります。
ここではフナの姿は見られませんが、「冷たい山の水」と「温かい平野部の水」との対比が、新潟の魚たちの多様性を形づくっているのです。
信濃川の中下流域 ― フナの主な舞台


川を下るにつれて流れはゆるみ、水温も上がります。
アユやオイカワ、ナマズと並び、フナの仲間が多く生息するのはこの中下流域や周辺の池・用水路です。
ギンブナやナガブナは雑食性で環境変化に強く、田んぼと川を行き来しながら生きています。
農作業と密接に結びつき、人々がフナを捕らえて料理にしたり、お祭りで供えたりと文化にも根付いてきました。
田んぼやため池 ― 身近なフナのすみか


新潟平野の田んぼやため池は「小さな楽園」。
メダカやタナゴと共にフナの幼魚も多く育ちます。かつては子どもたちが網を持ってドジョウやフナを追いかける姿が、里山の夏の風景でした。
しかし近年は圃場整備や農薬使用により水辺環境が単純化し、生き物の多様性が減少しています。フナの稚魚も安全に育ちにくくなっており、田んぼとフナの関係は大きな転換点を迎えています。
河口と海 ― 回遊魚とフナの境界


大河津分水路の河口は、淡水と海水が混ざる汽水域。
クロダイやボラなど海の魚が集まる場ですが、フナはここから上流域を主な生活圏とします。
それでも、汽水域と淡水域の境界は魚の世界の「出会いの場」。回遊魚の遡上と共に、フナの存在もまた川の生態系の一部を担っているのです。
新潟のフナと放流の問題



新潟に本来生息してきたフナは、ギンブナ・ナガブナ・キンブナ・オオキンブナの4種類。しかし近年、琵琶湖原産のゲンゴロウブナ(ヘラブナ)が釣り目的で放流され、在来フナとの交雑が進んでいます。
その結果、純粋な新潟のフナの遺伝子を残す個体群はほとんど見られなくなりました。
これは自然環境の問題であると同時に、地域の文化や固有性を失う深刻な課題です。
文化に根付いたフナ

新潟の農村では、フナは「鮒汁」や漬物の具として食卓を彩り、正月料理に使われることもありました。フナはただの魚ではなく、人々の暮らしや祭事に寄り添う存在だったのです。
この文化的側面を忘れてしまえば、フナを単なる「ありふれた魚」としてしか見られなくなってしまいます。自然と文化をつなぐ魚としての価値を再認識することが求められます。
私たちにできること
自然を守る大きな活動も大切ですが、まずは身近な行動から。
近所の川や田んぼを散歩し、生き物を観察してみましょう。
水辺のゴミを拾う、小さなビオトープを作る、外来種を放さない――そんな一歩一歩が未来を守る力になります。

今回は「新潟のフナ」について解説していきました。自然と文化をつなぐ存在として、フナの大切さを少しでも感じてもらえたでしょうか。

はい、フナがただの身近な魚じゃなくて、
新潟の自然や文化を映す鏡みたいだと分かりました。

その気づきがとても大切なんです。
水辺を見つめ直すことは、自分たちの暮らしを見直すことにつながりますよ。

これからは身近な川や田んぼをもっと大事に見ていきたいです。
- 新潟県環境保全課『新潟県の自然環境と生物多様性』
- 長岡市立科学博物館『長岡の自然と生き物』展示資料
- 日本魚類学会編『日本の淡水魚』東海大学出版会
- 水産庁『内水面漁業と外来魚問題』報告資料


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