【魚名学】学名について

生物学
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ここでは、魚の名前を生物学的方面から解説をしていきます。

名前は分類学においては非常に重要な意味を示します。

学名について

人々の生活に利用されることの多いもの程、その地方、地方で固有の呼び方があります。
(例:ギンブナ、マブナ、ヒワラ、ホンブナ)

異種同名や同種異名があると、時には混乱を起こしえます。
そこで、名称を全世界統一しようというものが学名であり、国内で統一を図ったものが標準和名になります。

1758年にリンネが著した『自然の体系』にはそれまで知られた属名と種小名の2つ、つまり二名法で表すことを提唱しました。

<例> ニゴロブナ
     Carassius auratus grandoculis Teminck&Schlegel, 1842
     属名  種小名  亜種小名    命名者名    命名年号

※全世界共通言語としてラテン語やギリシャ語で学名が表れています。
※属名の先頭は大文字。それ以外や種小名は小文字で表されます。
※学名はイタリック体(斜体)で表記する。
※種名には(命名者名や命名年号)を加えてもよい。

学名の変移について

リンネはフナ(ヨーロピアンブナ)に「Cypinus carassius」という学名を命名しました。

当時、フナはコイ属魚類に入っていたので、フナの属名は「Cypinus」となり、種小名の「carassius」がフナをあらわしている。将来的にフナ属が独立したときの属名ですね。

1782年に、ドイツのブロッホがヨーロッパからアジア北部にかけて生息していたフナ(ギベリオブナ)に「Cypinus gibelio」と命名しました。

しかし、1832年にニルソンがコイ属(Cypinus)の中からフナ属(Carassius)を独立させました。
そのため、現にコイ属魚類として記載されていた上記の個体はこのように変更された。

  • ヨーロッピアンブナ       Carassius carassius (Linnaeus 1758)
  • ギベリオブナ          Carassius gibelio (Bloch 1782)  

※学名が変移された場合は、命名者名と命名年号に括弧がつく。
※属名変移後に亜種として記載される日本産淡水魚に対して変移はない。

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生物学

コメント

  1. 川地 すみえ より:

    愛知県津島市では鮒の稚魚をはえ と言います 苦味があって 私は 好きです。娘に蝿と間違われ 聞いたこと無いと言います。ビックリして 調べて見ても出てきません。今日津島に行って懐かしかったから鮒味噌と一緒に買ってきました。73歳です。

    • あおいふな siancarp より:

      こんばんは、コメントありがとうございます。
      フナの稚魚をはえと言われるのですね、確かに若い子だと魚よりも昆虫が先に思い浮かびますよね。
      小魚(ハヤ)の事をハエと呼ぶ地域がございますので、フナをはえと呼ぶのもそれが関係しているのかもしれませんね。
      津島の鮒味噌美味しいですよね。私も立ち寄ったら買いたいです。