生まれつき変わった特徴について|フナの変異個体

まとめ記事

今回はフナにおける変異種について解説していきます。

これはフナが何らかの要因で生まれつき変化がある魚を指します。
遺伝子やホルモンに関係していることがほとんどになりますね。

このような突然変異の個体を固定させて金魚の品種改良を進めていたのですね。

 体色変異種

まずは体色変異個体です。一般的に「ヒブナ(緋鮒)」と呼ばれていて金魚の祖先に当たります。

原因としては体表の色素細胞の突然変異によるものですね
本来は体が赤い場合のフナを指すが、白、青、黒、橙等の種類があり、ヒレ長や透明鱗と併発することもあります。

ギンブナから変異が発生すると、クローン化していき非常によく繁栄するとも言われていますので、
流通量が増えるといいですね。

色彩について知りたい場合はこちらの記事も参考にするといいですね。「金魚の色彩まとめ」

赤色変異種

金魚の祖先であり、体色が赤く変色している「ヒブナ」と呼ばれる種類です。
体色変異個種の中では最も多く流通しており価格も落ち着いています。

それでも産地によっては天然記念物になっていることもあり、10,000円を超えることも少なくないです。

生物学的には突然変異で黒い色素を欠き、体全体が赤く変色した個体という扱いになります。
黄色素胞は有しているため、黄色およびオレンジ色をしているのも特徴です。

これがキンギョの祖先とされています。

純粋に赤色のフナが欲しいのであれば、ペットショップで販売しているエサ金を買うのが一番コスパがいいですね。

青色変異種

「アオブナ」と呼ばれる。

以前は1年に1,2度市場に出回っており、15,000〜30,000円と非常に高価に取引されていました。

奧羽山脈の水系に発生した記録があり、その個体が以前は流通していました。
現在は水源での採集が禁止になったため、養殖個体のみとなっています。

金魚の中でも青色の品種は存在していることもあり、
体色は浅葱、コバルト、紺色とバリエーションがあるそうです。

詳しい記事も作成していますので、こちらもご覧ください。「ヒブナ青色個体について」

体が青い理由

 フナの体には赤色、黄色、白色、黒色、そして虹色の色素を持っています。

そして虹色の色素は光の加減により、青く反射して見えます。青いフナには赤色と黄色の色素が何らかの理由でかけてしまったため、青く見えるのです。

 ニジマスの青色変異の場合は、脳下垂体から影響を与えているが、青いフナの場合はメカニズムが分かっていりません。
ちなみに、この個体は良く飛びはねる為、飼育する際はしっかりふたをできる環境で飼育しないと自害します。

詳細はこちらをご覧ください。「青色の金魚の解説

白色変異種

観賞魚業界では「シロブナ」と呼ばれる魚。
アルビノ種とは異なり、目が赤くならない点が特徴です。

グアニン色素も欠損することも多く透明鱗と併発することが多いそうです。
体色が白で美しいので、フナ以外の個体は「プラチナ個体」という名呼ばれて流通されています。

黒色変異種

通常の個体とは異なり、ダークサイドに落ちてしまったような黒色の毛や皮膚に覆われた動物たちがよくみられますね。

これは、黒色の色素であるメラニンが過剰に増える突然変異により起こるもので、「黒変種」、「メラニズム」などと呼ばれている。

他の種類に比べて体が暗い種類の俗称としていわれることが多いです。
金魚の褪色前の色をイメージするような感じであります

野生化金魚は暗い色になる傾向があり、大型になるほど暗くなる傾向があります。
なお、明るい場所に移すと体色も明るくなることからこれは単なる色素胞の変化と考えられます。

黄色変異種

フナはもともと黄色がかっているが、本種は綺麗なレモン色をしているので「レモンブナ」と呼ばれています。

どうやら、金魚の品種改良により生まれた個体らしいが、「~ブナ」とつくので、この項目に入れておいた。

β-カロテンの量に作用されているのならば、摂取量を調整すれば虎柄が保てるのかもしれない。

キブナ伝説

黄色のフナといえば、「キブナ伝説」というものが存在しています。
これは栃木県に伝承している話で疫病が流行った際に河川にいる黄色いフナを食べたら疫病が治ったという話です。

黄色のフナには諸説ありますが、純粋に黄色に変色したフナと捉えるのならばこちらの個体がモデルとなったとかんがえるのが無難なところでしょう。

詳しくはこちらで解説しています。「黄色のフナの伝説について」

そのほかにも

三色ブナ等のマーブル個体やゴールデン等。品種改良・突然変異により様々な体色のフナが生まれてきている。

アルビノ個体はシロブナ、透明鱗個体はギョウキブナ、ウチュウブナと呼ばれる。

アルビノ個体

体表部の細胞の色素(主にメラニン)を先天的に失い、白色化して眼球の毛細血管が現れて赤く見える個体である。

普通種に比べて紫外線に弱いという欠点を持つ。

視覚器に影響を与えて、近視や遠視、乱視を引き起こすことが多いが、嗅覚を使用して餌を採集するため、生存は可能である。昔からアルビノ個体というものは神と崇められることが多く、非常に珍重されていた。

透明鱗個体

体及び鱗が透明化を起こし内臓や鰓が透けてしまう個体を指す。

主に体内の色素法の一つである、グアニンの欠乏による物だと考えられている。

アルビノ個体と比べて目が黒く染まり、目全体が黒くなる。これもグアニンの影響である。

観賞価値が非常に高く、金魚の品種改良にも使用されて出回ることが多い。
流通する際には「レッドチーク○○」で扱われる。

鰭長変異種

鰭(主に尾鰭)が長く変異した種類の個体を指します
体色は主に鉄色。品種改良により赤、白、黄、紺、水色と多彩であり、アルビノ、ゴールデンも存在しています。

突然変異のものが多いが、観賞価値が高いので人為的に改良されることが多いです。

金魚に似るが鼻孔間のしきりに伸びて複雑なしわを成す フナ特有の形態 を持つ。

運動能力は他種よりも劣る傾向が高く、
金魚では「コメット」や「主文金」がこの特性を持っています。

鉄魚

「テツギョ」と読む。キンブナ型の鰭長個体。
ナガブナと類似し、東北地方の山中の湖沼に生息しています。

昭和8年に国の天然記念物に指定された魚であり、
フナと「リュウキン」を交雑すると鉄魚に近い形態の個体が生まれることが実証されている。

観賞価値がそこまで高くないものの、生物学的にはキンブナとして非常に貴重な存在ですね。

(昭和天皇の飼育していた「鉄魚」についても研究・調査されており、
担当者の服部広太郎氏は「流金とキンブナの交雑」と結論を出している。

尾長ブナ

「オナガブナと読む。ギンブナ型の鰭長個体。
観賞価値が高くなく、褪色作用が高いです。

褪色が緋色や褪色途中のまだら模様(トラブナ)が存在する。
ギンブナのクローン技術を利用しているので、非常に多く製造することができ金魚屋で目にすることが多いです。

まとめ

ということで、今回は変異個体について解説していきました。
いずれも鑑賞価値が高いので、観賞魚業界では高値で取引される魚になります。

魚の構造に対して学ぶいい機会になりますので、珍しい体色の魚がいたら注目してみましょう。

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