今回は水族館の「ゲンゴロウブナ」を視点とした解説をしていきます。
何気に全国の水族館の中では2番目に展示数の多いフナになります。その要因は一体何なのでしょうか。
特徴
まずはゲンゴロウブナについて軽くおさらいして行きましょう。
琵琶湖固有種の一つである「ゲンゴロウブナ」。
しかし、「ヘラブナ」という品種が釣り魚として全国の湖沼へ移入されている。
今やどの地域の湖沼でも見かけるくらいに増殖したことでそれぞれの水域では当たり前の風景とされ、国内外来魚を思う人も少ないだろう。
展示数としてはギンブナに次いで数が多い。
ギンブナよりも展示数が少ないのはゲンゴロウフナ自身が大型であることがあげられる。
展示には大きい水槽が必要になり、小さい水槽での展示が難しいからであろう。
フナの仲間では唯一食性が植物プランクトン食性であり、常に水槽ないでは大口をパクパク開けて摂食行動をとっていることが多い。その特殊な食性の影響もあり、飼育下では痩せやすい個体でもある。展示個体の栄養状態を観察するのも興味深い。
展示水槽の傾向
フナの中でも大型のため、小さい水槽での展示は少なく、大半が大型水槽でも展示である。
基本的には池くらいの大型水槽に展示されており、広々とした水槽ないで悠々と泳いでいる姿を見ることができる。
当然、水量の多い水槽で飼育している個体はどれも大型になり体長30〜40cmの個体はザラに存在している。
混泳魚の傾向
大型水槽で展示していることもあり、混泳魚の大きさも大型の魚類が多い。
最もよく見かける個体は「コイ」で、コイと一緒にフナが泳いで群れを作っている姿は自然の池でも変わらない。
また、ソウギョ、アオウオなどのゲンゴロウブナと同じ移入種が同じ大型水槽に入って展示していることが多い。
展示している水族館
・相模川ふれあい科学館 ・さいたま水族館 ・かすみがうら市水族館 ・水行紀館 水産学習館 ・赤塚山公園ぎょぎょランド ・アクア・トトぎふ ・琵琶湖博物館 ・姫路市立水族館 ・宍道湖自然館ゴビウス ・虹の森公園おさかな館 ・あきついお
私が行ったことのある水族館の中で、ゲンゴロウブナの展示していた場所をピックアップしてみました。
他にもここの水族館に展示していた情報があれば、コメント欄に連絡していただけると嬉しいです。
力を入れている水族館展示
琵琶湖博物館のトンネル水槽
水族館に入ってすぐにあるトンネル水槽。ここは琵琶湖の深い世界に導入として作られている。
淡水魚水槽の中では珍しく、大型かつ特殊形状の水槽であり琵琶湖に住んでいる魚に対する愛情を感じられる。水槽の壁面が青いので、深い青い水塊の世界に包まれていく気分を味わえる。
展示水槽にはフナよりも大型のコイやナマズがいるが、そのほとんどが水槽の下でじっとしていることが多く、実質的に水槽の主役をゲンゴロウブナが飾っている。
上から眺められる構造になっているので、ゲンゴロウブナを下からローアングルで撮影することができる。
ぎょぎょランドの大型水槽
水族館のゲートを潜って一番最初に見える大型水槽。川の断面を表したような水槽で、横に幅が広く大型のコイやソウギョと一緒に泳いでいる。
同じコイ科同士で見分け方が難しく感じられるため、水槽の枠に職員さんが自作したPOP「魚の見分け方」が設置されている。少しでも大型のコイ科魚類に興味を持ってもらおうという配慮だろう。
また、この水族館の魚の解説も非常に凝ったものが多く、展示個体への愛情を強く感じられる。
まとめ
大きい水槽で悠々と泳ぐゲンゴロウブナの魅力が少しでも伝わることができたら幸いです。
コメント
ゲンゴロウブナですが、私が行った中で下記施設にて展示されておりました。いずれも2022年夏に訪問しております。
[埼玉県]
・川口市立科学館
・彩湖自然学習センター
[山梨県]
・西湖クニマス展示館
・富士湧水の里水族館
ときさん、情報提供ありがとうございます。
関東方面に取材する際に立ち寄ってみますね。
その際にはまた記事を書かせていただきます。