産卵時期はいつ?フナが卵を産むまでの流れ|フナの成熟と産卵

生物学
先生
先生

今回は魚が卵を産むまでの流れについて解説していきます。

これを読めば魚が産卵するために必要なことや産卵行動がわかります。

産卵に伴う体の変化|成熟

フナは春〜初夏の時期が産卵期ですし、アユやマスの仲間は秋です。
魚の産卵期はそれぞれ魚の種類によって異なっています。

産卵は季節に寄って変化する環境の条件と生殖線の成熟によって、魚の体内の変化が関係しあった結果おきます。

魚の成熟は、脳下垂体においてホルモンの分泌に寄って生殖線が刺激されてステロイドが産出されて卵が作られていきます。

フナの成熟

雌は通常の場合は約2年で体重が約100gまで成長します。
ここまで育つと体の生殖器官が成熟して成魚となり産卵を始められるようになります。

成熟した雌は一度の産卵で2万個ほどの卵を産みます。
そして3年目以降も生き残って繁殖した場合には、さらに多くの卵を産むこととなります。

女の子
女の子

すごい数の卵を産むんですね

成熟すると現れる体の変化

先生
先生

産卵の行動を確認する方法としては「婚姻色」「追い星」があります。

婚姻色

婚姻色は産卵期の魚の体に現れる独特な色で、フナと同じコイ科魚類ではオイカワでは青とピンクの綺麗な模様が入りますし、ウグイでは黒と赤の縞模様が見られます。

フナも上記の魚よりも顕著ではありませんが、産卵期には腹部が薄く赤い色になるといわれています。文学では「紅葉鮒」と呼ぶこともありますし、婚姻色に近いものではないでしょうか。

追い星

また、コイ科魚類には「追い星」とよばれる成熟期の魚の体に出現する軟骨状の隆起物が頭部や鰭の付け根に顕著に見られます。

フナも成熟すると鰓蓋や胸鰭に追い星が発生します。ちなみにこういった形態的な特徴は水温によって誘発します。

飼育している個体でも水温が季節によって変化させられるようにしておけば飼育下で変化が確認できる場合もあります。

男の子
男の子

病気にかかったみたいな見た目ですね。

先生
先生

実際、白点病という病気もありますが、
体全体に白い点がでる症状なので、違いますね。

フナの産卵行動

産卵は魚の種類によって様々な水深にて行われます。

その中でも岸沿いの浅い水域で行われることが多いので、産卵行動を観察しやすいです。

フナの産卵に関する水温

産卵水温
 18〜22℃

孵化的水温
 15〜25℃

4〜5月ごろになると水生植物の根っこの付近に卵をうみつけることが多く、

池や湖にいくと岸ぎわの一面でバシャバシャと水飛沫が上がっている光景に遭遇できます。

水中をよく見ると卵でお腹は膨れた1匹のメスを何匹のオスが追いかけている姿を確認できます。

先生
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このように産卵期に魚が寄ってくることを「のっこみ」と言います。
フナやコイは浅瀬へと文字通りに「乗り込んで」くる種類になります。

産卵型の寿命の関係

実は、魚の産卵回数と寿命は大きな関係があります。まずは魚の産卵するパターンについてみていきましょう。

産卵型

多回産卵型
一生のうちに複数回産卵を行う。成熟するのに時間がかかる種類が多い。
フナはこの多回産卵型になります。

一回産卵型
成熟が早いが一度産卵すると力尽きて死んでしまいます。
アユがこの型になります。

サケやマスは典型的な一回産卵型の種類であり、成熟して産卵すると死亡してしまいます。
多回産卵型と比べて短命になり、寿命は2〜4年ほどしか生きられず、

産卵によって寿命を迎えることになります。

先生
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一般的な生物の平均寿命は成熟する年齢との関連があり、
多回産卵型の魚類の場合は成熟年齢の3〜4年であることが多いです。

雌雄によっても成熟年齢が異なることが多く、フナ類でも雄よりも雌の方が遅く成熟して長生きすることが知られています。

まとめ

ということで、今回は魚が卵を産むまでの流れについて解説していきました。

  • フナは2年ほどで成熟し、一回に約20,000粒の卵を産みます。
  • 成熟すると婚姻色や追い星が出てきます。
  • 産卵期は4〜5月で、岸辺に乗り上げて水草へ産卵します(のっこみ)

となります。産卵期は釣りにおいても重要になります。
産卵期には禁猟期を設けている場所もありますので、気をつけていきましょう。

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