【分類学】フナの分類体系まとめ

生物学
写真:赤塚公園ぎょぎょランドにて撮影

分類体系について​​

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生物の分類体系は、共通する特徴によって種を階層的にまとめ上げていくシステムである。 体系化の仕方にはさまざまな方法があり得るが、現代の生物学が採用しているのは、18世紀にリンネ(C. von Linne)が発案した分類体系である。

フナ属はリンネの造った動物界、動物門、硬骨魚綱、コイ目、コイ科、フナ属に所属する魚類の総称である。

​コイ目 Cyprinformes​

アオウオと一緒に泳ぐギンブナ(アクアトトぎふにて撮影)
コイ目魚類の特徴

胸鰭の位置は低く、腹鰭は腹部中央付近にある。脂鰭はない。

顎に歯を持たない。

頭部には鱗がない。

アジア、北アメリカ、アフリカなどで繁栄しているグループであるが、南アメリカには生息していない。最古の化石は前期始新世の地層から発見されている。

コイ目魚類には、ウェーバー器官と呼ばれるの感覚器官がある。これは、脊椎骨の4個が変形してできたもので、内耳と浮き袋をつないでおり、浮き袋から内耳へと音を伝えている。

コイ目魚類だけでなく、カラシン目、ナマズ目、デンキウナギ目魚類もウェーバー器官を持っているほか、ネズミギス目魚類もその 前駆的な構造をもっているので。これら5目はあわせて骨鰾類と呼ばれる。

代表的な科はコイ科である。コイ科は喉の奥にある咽頭歯がよく発達する。唇は薄くひだや突起などがない。上顎を前に出すことができる等の特徴をもっている。

代表魚はコイ、キンギョ、ゼブラ フィッシュであり、それぞれ食用魚、観賞魚、実験魚として重要である。上記のコイ科の他にギュリノケイルス科、ドジョウ科、タニノボリ科、エンツユイでお 馴染みのサッカー科が存在する。

フナの仲間であるコイ科魚類、コイ亜科魚類について紹介します。
​これを見ればフナの仲間の特徴がよくわかるかもしれませんね。​​

​コイ科 Cyprinidae​

池で泳ぐ錦鯉(出雲大社にて撮影)

 コイ科は、コイ目に所属する魚類の分類群の一つ。

淡水魚のグループとしては最大の科であり、フナ属魚類の他におよそ220属2,420種が記載される。コイ科魚類は北アメリカ・アフリカ大陸・ユーラシア大陸に幅広く分布する。

南アメリカやオセアニアには生息しない。名称は古代ギリシア語でコイを意味するキュプリーノスにちなみ、学名もCyprinidaeである。

コイ科の中にはパーカーホのように体長およそ3メートルに達する個体も存在するが、他の種は5センチメートルに満たないものも多く、コイやフナのように30cmを超える種は稀である。

 コイ科も分類体系の構築は途上にあり、現在は11亜科に細分されているものの、いずれの亜科にも含まれない位置不明の属も多数存在する。

​コイ亜科魚類 

コイ科最大魚類であるパーカーホ。以前はフナと同じコイ亜科魚類でしたが変更になりました。(アクアトト岐阜にて撮影)

フナと同じくコイ亜科に所属するカトラ(自宅の水槽にて撮影)

コイ科を更に細分化したものであり、フナ属もここに所属している。

聞きなれないが、カトラ属もソーブワー属も個人的にはコイやフナに類似している。

以前はコイ科最大の魚「パーカーホ」のカトロカルピオ属もコイ亜科に含まれていた。

しかし、分類体系の見直しの際にバルブス亜科へと転科して、ソーブワー属がコイ亜科に新たに転科し、現在は4属の魚類がコイ亜科に所属している。

コイ亜科魚類の種類

・​コイ属(コイ)

・フナ属(ゲンゴロウブナ等)

・カトラ属 – カトラ(1属1種)

・ソーブワー属 – レッドフィンレッドノーズ(1属1種)

​フナ属 Carassius​

ギンブナ(赤塚公園にて撮影)

フナ属はキンブナやギンブナ、ニゴロブナなど複数の種類が存在しているように見えるが実際は3種類しか存在せず、ほとんどは種ではなく亜種に分類される。

生息地はヨーロッパからロシアにかけて北アジア、中国などの東アジアに広く分布している。

フナ属魚類は日本全域に分布し、河川の中から下流域、水田、ため池、湖沼と生活場所が我々の生活圏と重なっている為、古くから我々と深い関わりともつ魚のひとつである。

フナ属の3種が異なる点は、第一鰓弓の鰓把数に差が生じる点であり、

種による鰓耙数の違い

C.carssius(ヨーロピアンブナ)・・・23~33

C.auratus.(その他のフナ)  ・・・39~50

C.cuvieri(ゲンゴロウブナ) ・・・・96~128

と種類ごとに鰓把数がばらばらである。

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