【分類学】コイ科・フナ属魚類の同定と検索方法

生物学
そもそもこの魚は本当にフナなのか・・・?

今回はフナの分類と検索について解説していきます。
そもそも、フナとそうでない魚との見分け方がなんなの?という方に対してわかりやすいように一つ一つの違いを入れて書いていきます。

コイ科魚類の検索

フナ属は幼魚時代の尾鰭付近の斑点以外、体表に見られる特徴がない魚類であり、見た目だけで分類することは非常に困難な部類の魚である。

まず、フナ属魚類がどのような形態をしているのか、また見た目だけで見分けるにはどうすればいいか記載しておく。

この情報は「原色日本淡水魚類図鑑」の魚類の分類と検索の方法を参考に作成しています。

体は左右がほぼ対称形で目は体の両側に一つずつある。 

ヒラメ(大瀬崎にて撮影)

こちらはカレイ科魚類との分類点になります。

頭の前方に著しく細長い突起物がない     

アカヤガラ(八丈島にて撮影)

こちらはヨウジウオやサユリ科魚類との分類点になります。

腹鰭がある

上下の顎があり、口が吸盤上でない。鰓は鰓蓋覆われ、片側に1個ずつ開口する。

尾鰭の上下が対象である。              

チョウザメ(さいたま水族館にて撮影)

こちらはチョウザメ科魚類との分類点になります。

腹鰭は左右に離れていて、吸盤状になっていない。   

マハぜ(熊本遊水池にて撮影)

こちらはハゼ科魚類との分類点になります。

背鰭は一つである。脂鰭はない。            

イワナ(アクアトト岐阜にて撮影)

こちらはサケ・マス科魚類との分類点になります。

臀鰭と尾鰭は離れている                 

ウナギ(本栖湖にて撮影)

こちらはウナギ科魚類との分類点になります

髭はない。あっても2対以下である。

背鰭と臀鰭の基底がどちらも著しく長くはなくそれぞれ25軟条以下である。

臀鰭は背鰭直下よりも後方から始まる

ダントウボウ(霞ケ浦水族館にて撮影)

→コイ科魚類

ここまでの分類点を経て晴れてコイ科魚類までたどり着きましたね。

フナ属魚類の検索

コイ科魚類の一種であるワタカ(相模川ふれあい科学館にて撮影)

いよいよここからはフナ属魚類への検索になります。2000種類を超えるコイ科魚類のなかから、フナを見分けていきましょう。

臀鰭は背鰭の基底下の途中から始まること

臀鰭と背鰭の構造による違い

臀鰭は6軟条以下である。背鰭と臀鰭の最初の鰭条は骨化しており棘状になり、その後縁に鋸歯がある。                  
→ コイ亜科魚類

これによりタナゴ亜科との分類ができます。

口髭の有無  

口髭がある→コイ属魚類

口髭がない→フナ属魚類

いかがでしたでしょうか、
以上で、フナ属魚類を見分ける点になります。

その上でさらにどのフナなのか気になる人はこの先の「日本産フナ類の検索」で調べてみてください。

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