【フナの筋肉】魚の運動器官について【内部形態】

生物学

今回は魚の筋肉の種類と働きについて解説してきます。

先生
先生

これを読めば赤身、白身、血合などの様々な魚の筋肉の役割や機能を知ることができます。

筋肉の種類

男の子
男の子

げげ、めちゃくちゃ筋肉の種類がありますね。

魚類は筋肉系の作用により遊泳などの運動を行います。
また、心臓や腸などの各内臓の器官を働かせて生命活動の維持も行っていますね。

生物の細胞には収縮性がありますが、この性質が特に分化した細胞のことを筋細胞と言います。

いろいろな筋肉は筋源繊維を含む筋細胞を集合したもので、「平滑筋」「骨格筋」「心筋」の3種に分けられます。

筋肉の種類

平滑筋
 消化管、血管などの内臓器官の壁など。

骨格筋
 魚肉と称される筋肉のほとんどの筋細胞。

心筋
 心臓壁にみられる筋肉。

また、骨格筋と心筋は筋組織に横紋があり、横紋筋ともよばれることもあります。

魚の骨格筋には大きく分けて「体側筋」と「血合筋」の2種類が存在します。

体側筋

魚の体の側面から尾部にかけて規則正しく並ぶ筋肉の束の集合体で、この筋肉の収縮によって体を動かす力を生み出しています。

多くの魚類の体側筋では脊椎骨(背骨)と体表の間に水平障壁と呼ばれる幕条の構造があり、背中側と腹側に分けられます。

先生
先生

魚の体を剥いだ時にwの文字を横にしたような筋肉の模様が見えますが

これが体側筋ですね。

種類と働き

この二つの筋肉の大きな違いとしては筋肉の色の違いが挙げられると思います。
この色は筋肉を構成している筋組織が違うことが原因となっています。

一般的には筋組織には「ミオグロビン」という物質を多く含んでおり、
赤色繊維と白色繊維の2色の筋繊維が混在して筋肉は作られています。

魚の筋肉を見るとその色は様々であり、
一般的には筋肉の色で赤身魚と白身魚とを分けることが多いのではないでしょうか。

筋肉の色と特徴

赤色筋
 赤色繊維を含む筋肉が遅筋、いわゆる赤身です。
酸素が供給されていれば長時間繰り返して運動することができます。
カツオやマグロなどの回遊魚に多い。

白色筋
 白色繊維を含む筋肉が速筋、いわゆる白身です。
短時間の全速運動に適している反面、持久力が乏しい。
コイやフナのような淡水魚、タイやヒラメのような底棲魚に多いです。

フナの筋肉の場合

フナやコイのような淡水魚の筋肉は色素がほとんどない「白色筋」によって構成されています。

こうした筋肉は瞬発力に優れており、筋肉自体の酸素の消費量が少ないですのが特徴です。

しかし長時間の遊泳には向いていないが、回遊し続けるのではなく、
待ち伏せ形の捕食行動をとる魚が多いです。

血合筋

体側筋の表面には水平障壁に沿って帯状に伸びる赤褐色の筋肉があり、
この筋肉は「血合筋」になります。

赤色繊維を特に多く含んだ筋肉で色は濃い赤色をしているのが特徴です。

血合筋の発達度合いは魚の種類によって大きく異なっています。

血合金はマグロやサバなどの回遊魚はよく発達しており、
ベラやカサゴのような遊泳力の弱い魚ではあまり発達していない傾向がありますね。

血合筋が占める割合

フナの場合は体側筋に占める血合筋は約2.7%とされています。
マグロは15%、サバが8%なので血合筋の比率としては少ない方ですね。

基本的には血合筋の比率が高い魚ほど持久力に富み、血合筋の少ない魚は瞬発力に優れているとされています。

先生
先生

ということで、フナは短距離走者(スプリンター)向きですね。

女の子
女の子

普段はのんびりしているフナも
泳いで逃げる時はとても早いですからね。

泳ぎと筋肉の働き

水中で生活する魚の遊泳運動自体は我々とは異なっており、空気よりもはるかに密度の濃い水中では大きな浮力が発生するため、
陸上生物のような重力に対抗するための筋肉を持つ必要がなないです。

先生
先生

魚の筋肉は前に進むための推進力を生み出すことに特化していることが特徴ですね。

魚の遊泳運動をつかさどる体側筋と血合筋ですが、それぞれが異なった機能もって魚の遊泳運動に関わっています。

血合筋は血液から酸素の供給を受けて疲れずに泳ぎ続けることができます。
一方で体側筋は瞬発力に優れるものの乳酸の蓄積によって疲労していきます。

そのため、多くの魚は通常の遊泳時は血合筋をおもに使って移動を行い、
エサを追うときや敵から逃げる時には体側筋を使って全力を出します。

ヒレを動かす筋肉

魚の鰭を動かしているのも筋肉の動きです。

背鰭・臀鰭の筋肉

背鰭や臀鰭の付け根には担鰭骨があり、その両端に筋肉がついています。

これを「背鰭屈筋」、「臀鰭屈筋」と呼び、主に背鰭と臀鰭を支えたり、
傾けたりして姿勢を保つ役割を持っています。

胸鰭の筋肉

胸鰭の付け根には「胸鰭挙筋」と「胸鰭屈筋」という筋肉が発達しており、
胸鰭を動かして推進力を生み出したり、方向転換をする際に使われます。

先生
先生

料理で言うなら「かま」の部分になりますね。

尾鰭の筋肉

尾鰭は魚の遊泳に関して最も重要な役割を持っています。

尾鰭の運動に関与する筋肉には数種類あり、
細かな筋肉が組み合わさって素早い運動を可能にしています。

その中でも主要な働きをしているのが尾鰭の付け根に放射状に並んでいる「尾鰭屈筋」です。
マグロやカツオはこの筋肉が特に発達しています。

顎筋と鰓蓋筋

魚は口や鰓蓋を開閉させることによりエサを捕食したり、呼吸したりしていますが、
こうした活動には特殊な筋肉が関わっています。

捕食

 顎を閉じるためには「閉顎筋」、下顎を開く為には「上咽舌筋」という二つの筋肉が使われています。

それぞれの筋肉の発達具合は魚種によって大きく異なっていて、捕食の仕方や生活様式によって大きく異なっています。

フナの捕食

フナやコイような吸い込み型の魚は鰓を開く際に発生する陰圧を利用し、

吸引力を発生させて餌となる水生生物や砂と一緒に吸い込むことができています。

呼吸

 鰓蓋の開閉には閉顎筋の後ろにある「鰓蓋挙筋」と鰓蓋の裏側にある「鰓蓋伏筋」が関与しています。

多くの魚は筋肉を動かして口と鰓蓋を開閉させることで、
周囲の水を鰓に通す「鰓ポンプ換水」という方法で呼吸を行っています。

一方、表層を遊泳する魚の場合は一定の角度で口を開け、
全身運動を行うことによって強制的に水を通して呼吸を行っています。

まとめ

と言うことで、今回は筋肉の働きについて解説していきました。
魚の筋肉の種類として平滑筋、骨格筋、心筋とありますが、その中でも骨格筋についてメインで解説しました。

  • 骨格筋に中にある体側筋と血合筋の色味や運動する時に使用する筋肉の違い
  • 鰭を動かすために必要な筋肉の違い、
  • 呼吸や捕食に必要な口元の筋肉についても解説しましたね。

魚が泳ぎ回り、いろいろな器官を動かす為に必要な筋肉でしたね。
実際に魚屋さんで見るお肉や魚を食べる時に筋肉の構造を見てみるのも面白いですね、

コメント