【フナの生活】魚の縄張り争いについて(フナの縄張り)

生物学

今回は魚の縄張り争いについて解説していきます。

魚の中にはテリトリーをもち、縄張りの中に入った魚を攻撃する魚がいます。
何のためにそんなことを行うのでしょうか。

これを読めば縄張り行動の心理や実際に飼育している魚が縄張り物ことについてわかります。

縄張りとは

縄張り

縄張りとは、動物個体あるいはグループが、直接に防衛するかあるいは信号を通じて他個体を排斥し、排他的に占有する地域のことである。
動物にとっての縄張りは個体や集団の防衛、食料の確保、繁殖の成功などを容易にする機能を持つ。

Wikipediaより

縄張りの種類

縄張り行動は資源防衛行動と見なし、守っているものの種類によって食べ物を防衛する「摂食のための縄張り」と、繁殖を防衛する「繁殖のための縄張り」があります。

摂食のための縄張り

有名なのはアユの縄張りでしょうか。
アユは春に川をさかのぼり、中流に達すると、岩の上の珪藻類を削り取って食べる生活にはいります。
このときに、川の中程に一定の縄張りを作り、縄張りに侵入する他のアユがあると、体当たりで追い出そうとします。
これを利用して、生きたアユに針を仕掛けて放流し、縄張りに侵入させて、体当たりしてくる縄張り持ちのアユを引っかけるのが「アユの友釣り」です。

同様の縄張りは、海産のスズメダイの一種や巻き貝などにも見られます。

繁殖のための縄張り

繁殖行動をするための場所、繁殖のための巣などを防衛する場合もあります。
トゲウオの一種であるイトヨは繁殖行動の場が同時に繁殖のための巣を含んでいて、巣を縄張りとします。

また、極楽鳥の仲間は、目立つ木の枝一つを防衛するが、これは雌を呼ぶ踊りを踊る場になります。
繁殖行動をする場だけを守る例でり、これは繁殖期にのみ縄張りを作るものが多いです。

室内実験での縄張り

とある飼育実験で縄張りを作ったものもありますので解説していきます。

まず、水槽に1匹のメダカを入れます。そうすると、最初の段階では無理に泳がずに水底付近に落ち着きます。
そこへ、もう1匹のメダカを入れると、両者はつつき合いを始めます。
争ったの後に勝った方が底に位置を占め、負けた方はそこから離れた場所に落ち着く。

互いに近寄ると、つつき合いになるので、それぞれ一定の範囲から出なくなります。
つまり縄張りができたことになりますね。

そうして次々とメダカを入れていきますと、強い方からそれぞれに縄張りを持ち、弱いものほど小さな縄張りを、より水面近くに持つ傾向ができます。

これは縄張り行動を見る実験として有名なものだが、メダカは本来群れて泳ぎ、縄張りを作ることはないんですね。
むしろ、普通は住んでいない水槽という特別な条件で起きた、
その種の行動としては特殊な行動とみるべきでしょうか。
同様の例は、フナや海水魚を水槽に入れた場合、また潮だまりに取り残された場合などにも見られます。

フナも縄張り争いをするのか

魚は飼育環境においても縄張りを意識し、個体差もあり争いが起こることがあります 。

群れを形成するフナでも、個体ごとに縄張りを持ち、食べ物や隠れ場所を巡って争いが起こることがあります 。

縄張り争いが激しくなりすぎると、ストレスや傷害、疾病のリスクが高まるため、
複数飼育する場合には適切な飼育環境やスペースが必要となります 。

餌が均等に配られなかったりすると、縄張り争いが激しくなり、
成長や健康に悪影響を与えることがあるので、均一な餌の提供が必要になりますね。

まとめ

ということで、今回は魚の縄張り争いについて解説していきました。

  • 自然界では縄張り行動は「摂食のための縄張り」と「繁殖のための縄張り」が存在すること。
  • 飼育下でも縄張り争いが起こることもあり、フナも飼育していると稀に縄張り争いを起こす。

以上となります。飼育中に縄張り争いをしている姿が見受けられたら、片方が疲弊する前に隔離してあげましょう。

また、縄張りを持てないくらいの複数個体を持つと縄張りは作らなくなるとも言われています。
その際は水質管理等は気をつけて飼育してくださいね。

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